2009年11月23日

“RANKA マクロスF ランカ・リーオフィシャルブック”

「RANKA マクロスF ランカ・リーオフィシャルブック」です。

超時空シンデレラ・ランカちゃんぴかぴか(新しい)のオフィシャルブックです。

まるごと1冊、ランカ尽くし!
あらゆる角度から、「ランカ・リー」だけを徹底分析。

☆アメブロで紹介された「ランカ・リーブログ」を、ランカ・リー本人が加筆修正!

☆ジョージ山森監督インタビュー「密かにランカのファンだった」

☆中島愛による、入魂のテレビシリーズ全25話レビュー

☆河森正治インタビュー/中島愛インタビュー

☆超時空新聞

☆ランカ・リーディクショナリー


という、大変、大変マニアックなつくりとなっております。

著者:ランカ・リー

となっているところも、泣かせます。

アニメファン30年以上やってますが、ひとりのキャラクターのことを、これだけ詰め込んだキャラクターブックはこれまで無かったと思います。

この本のなかでは、アルトだってあい君と同じくらいの扱いだ。

やはり、銀河の妖精・シェリル・ノームは別格だがな。

さて、わたしがランカのヴィジュアルをはっきりと確認したのは、「マクロスF」の公式サイトでした。

白いセーラー服に濃紺のハイソックス姿(聖マリア学園の制服)でした。

ランカによく似合ってた。

その後、ランカは美星学園に転校して、オレンジの制服を着ることになるんですが、

河森監督のお言葉↓↓↓

2つ制服を着せたいじゃないですか(笑)


G J!!

なんつーか、もう、ありがとうございます、カントク。

それにしても、この本・・・。

わたしを、見て。

RANKA マクロスF ランカ・リーオフィシャルブック
ランカ・リー
太田出版
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おすすめ度の平均: 5.0
5 読み応えあり!
5 ぎっしり詰まった愛の一冊♪
5 感動しました!


と、実に書店で手にとりづらい表紙となっております(ワタクシ、アマゾンで購入)。

さて、「全銀河の妹」(笑)と呼ばれる彼女ですが、この本ではこんな↓↓

200911221331000.jpg

けしからん!!

200911221333000.jpg

実にけしからん!!

200911221333001.jpg

うぉー!けしからん!!!

オズマ兄貴が憤死、みたいなショットもございます。

ブログ完全版で綴られているのは、アルトへの恋心より、シェリルさまへの憧れですね。

ランカは本当にシェリルのことを好きで、尊敬してるんですよ。

それにしても河森正治監督のインタビューは、素晴らしいです。

ページとしては4Pなので、多くはないですけど、内容濃いです。

ランカというキャラクターの内面、外見がどのように作られたか?

監督&スタッフの「愛」ぴかぴか(新しい)を感じます。

オオサンショウウオさん作成秘話(?)もあります。

ランカはどこまでも中庸であるため、わかりにくいキャラクターだといわれていますが、演じたまめぐちゃんの全25話レビューを読むと、まめぐちゃんはランカのことをやっぱ一番理解してるな、と思います。

「彼女こそ、代役からチャンスをつかみ、スターの座を駆け上がっている、超時空シンデレラ・ランカちゃんです!」


この↑のセリフを発した、ゼントラーディの副長も、よくわかってるな、と思いますが。

ランカという娘は、ほんと、どこまで成長していくのかわからない娘です。

得体が知れない、とも言いますが。

わたしはランカのどういうところが好きか?というと、この本の最後の方の、まめぐちゃんからランカへのメッセージがドンピシャ!です。

1話クロース・エンカウンターと2話ハード・チェイスで、すでに

あなたに急降下ぁああ~♪

だったのですけどね。

この娘、よく動くな~、と思ったのですよ。

河森監督のお言葉↓↓

やっぱりね。かわいい子が一番じゃないですか!?


G J!!

もう、オレ、涙出てきたよ・・・。

と、いうことで

「劇場版マクロスF

 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」


大変楽しみです。

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posted by くみ at 22:29| 静岡 ☁| Comment(4) | TrackBack(1) | アニメ(マクロスF) | 更新情報をチェックする

2009年11月20日

“非道、行ずべからず”

「吉原手引草」で第137回直木賞を受賞した、松井今朝子氏の「非道、行ずべからず」です。

「非道、行ずべからず」「家、家にあらず」「道絶えずば、また」の三作を、松井氏は「花伝書」シリーズと称しています。

タイトルはすべて世阿弥の「風姿花伝」から。

この「非道~」と「道~」は年代も同じ、ストーリーも続いている、と言ってもいいでしょう。

もちろん別々に読んでも良し、です。

「家~」は、ちょっと番外編のような作品です。

三作読めば、なお良し、です。

非道、行ずべからず
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5 ベタつかないけど優しい作者の筆
4 ミステリ仕立てだけれど芸道小説



非道、行ずべからず (集英社文庫)
松井 今朝子
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5 人の道と藝の道
4 歌舞伎の世界、楽しめました。


文化六年元旦、江戸最大の芝居小屋、中村座が炎上した。

焼け跡から見つかった行李の中には、男の死体が入っていた。

死因は絞殺。

小屋の身内から犯人が出ないことを祈りつつ、大夫元・十一代目中村勘三郎は、小屋再建のための策を練る。

金策のために考え出されたのは、江戸随一の女形・荻野沢之丞の改名披露。

絶世の美貌をうたわれ、希代の人気を誇った三代目荻野沢之丞には二人の倅がいた。

長男の市之介は、若い頃の父親にそっくりな美貌と、おっとりとした性格。

次男の宇源次は、さらに華やかで美しく、激しい気性。

六十を過ぎてもなお生身の女性より美しく、現役を退かなかった沢之丞は、何を思うか。

そして、更なる事件が起こる。


事件を追うのは、見習い同心・園部理市郎と、ベテラン同心・笹岡平左衛門です。

通称・三日月の旦那の笹岡平左衛門は、みかけによらず芝居に詳しい。
しかも、身分に不似合いな上品な妻がいる(美人の娘もいる)。

これで「家~」を読むと、ほーーーー!!となります。

「道~」を読むとさらに、をーーーー!となります。

人物の設定が巧みです。

読者が好意を持つようにつくられています。

園部理市郎が、新米同心のため、同心の基本的な仕事や、時代劇でよく見る番屋のつくりまでわかりやすいです。

理市郎は、芝居に興味を持ったことがありません。

なので、当時の芝居のことも、読者は理市郎とともに、だんだんわかってくるようになります。

芝居小屋には「お役穴」と称するニ階席が用意してあるんだそうです。

役人の見張り席です。

興行ごとに一回見ればいいのに、小屋はいつもその席を空けておくから、役人は何回も見れる。

時代劇に出てくる役人(中村さんとか渡辺さんとか)に芝居好きが多いのは、そういうことなんだ!!

木戸番、桟敷番、大道具方など、裏方の仕事にもふむふむとうなづくことしきりです。

あと、やっぱり役者。

人気役者と端役の差とか、すごいのね。

売れない女形三人組が登場します。

面白いけど、悲惨。

荻野沢之丞の弟子、荻野沢蔵はどうみてもいかつい顔した男。

でも女形。

理市郎と平左衛門に「虎魚(おこぜ)」と呼ばれてます。

この虎魚、いい味出してます。

物語は、市之介と宇源次兄弟をめぐって繰り広げられます。

裏方から、金主、立作者も、皆、怪しい。

周りがうるさいなか、渦中にいるはずの市之介がひとり冷静なのは何故か?

沢之丞は兄と弟、どちらに名を譲りたいのか?

愛憎まみれた戦いになる、と見せておいて、その先にあったものは、清々しいまでに芸一筋に生きる覚悟、でした。

タイトルの「非道、行ずべからず」は風姿花伝の

~この道に至らんと思はんものは、非道を行ずべからず~

から。

芸の道と人の道。

両方貫くことは可能なのか?

「非道~」「家~」「道~」まとめてオススメ。

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2009年11月18日

“すーちゃん”&“結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日”

益田ミリさんの「すーちゃん」と「結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日」です。

あのね、

成功ハウツーとか、メソッドがどうたらとか、投資と消費がなんたらとか、ポジティブシンキングとか、向上心がとか、スキルアップしろとか、

疲れた。

いえ、疲れたって発言していいものか?ってな生活をしているんですけどね。

世の中の人間、それほど人生に夢も生きがいも贅沢も成功も、望んじゃいないと思うのですが・・・。

だって生活していくだけで精一杯じゃん?

パトラッシュ、僕、もう眠くなっちゃったよ・・・。

わたしが、こんなときホッとするのはこの本↓たち。

「いたい、いたすぎる」という意見もありますが・・・。

そうかな~??フツーだと思うよ。

すーちゃん
すーちゃん
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益田 ミリ
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すーちゃんはカフェで働いている34歳。

低収入、恋人なし。

憧れの上司は、同僚と結婚してしまう。

変わらなくちゃ「幸せ」になれないの?


そう呟きつつ、毎日が過ぎていく。

すーちゃんのお友だち・まいちゃんは美人。不倫中。

仕事は営業。毎日残業。休日も仕事。

24歳の不細工よりは、34歳の美人のほうが女の価値はあるんだからね!と考えてしまう自分が嫌。

すーちゃんの独り言も、まいちゃんの独り言も、この2人の会話も、「あるあるあるある」と思うことばかり。

前々職の事務所にいたとき、わたしより若い女性はまったくいなかった(姥)。

月に3日ほど、別部署の事務所から顧客のチェックをするために通ってくるコがいた。

わたしより7歳くらい年下。

彼女は、オヤジ2人に囲まれた職場にいて、話し相手がまったくいなかった。

ということで、わたしたちはたまにメールしあったりしてた。

彼女の悩みは、「趣味がない」「何か始めたい」ってことだった。

彼女はバリバリのGLAYファンで、ライヴも遠くまで行ってて、わたしは、趣味あるじゃーん、と思ってたんだけど。

彼女は「パート」だった。

短大を卒業してから、ずっとそこで働いていて、その部署では誰よりも役に立っていた。

彼女のいた部署は、ちょっと営業的に微妙(というか、もうダメというか)な部署だった。

彼女は自分の立場が不安で、変わりたかったんだろう。

わたしが退社を余儀なくされたころ、同じく彼女は会社を辞めた。

彼女はいま、何をしているんだろうか?

連絡絶えちゃったな・・・。

ところで、すーちゃんの独り言、

お風呂にアロマキャンドル浮かべてみたけど、癒されているのかちっともわかんない。

というコマにはシンパシーを感じた。

「癒し」ってよくわかんないのよね~。

結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日
益田 ミリ
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「結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日」では、すーちゃんは35歳になってます。

カフェの店長になって数ヶ月。

責任は重くなったが、給料があがるわけでもなし。

仕事は好き。真面目にやっている。コツコツ続けいけたらと思っている。

結婚の予定なし。老後は不安。

すーちゃんの友人、まいちゃんは、バリバリの営業ウーマンだったけど、いまは無職の妊婦さん。

おだやかで幸せな日々。

だけど、どこかで、もう何も選べない人生になってしまった?と思っている。

さわ子さんはもうすぐ40歳。

勤続17年。経理。

恋をしたい、というよりも、男が欲しい。

出産のリミットは確実に近づいているのに、まだ現実じゃない気がしてる。

みんな不安はあるんだな~。

この作品のいいところは、結論が何も出ていないところ。

不安があるからって、前向きな方向へ動き出す、とかそういう描写はなし。

あとは読者にお任せってことです。

さわ子さんとお母さんの会話がリアルすぎました。わたし的に。

さわ子さんのお母さんは、おばあちゃんが亡くなったら、将来マンションを買って一人で暮らす、と言う。

さわ子もマンション買いなさい、足りない分は自分でなんとかしなさい、と言う。

あの家では広すぎるわ、と。

あぁあああああああ~~~、我が家も中途半端に広すぎるんだよな~~~。←普通の家です。

庭も中途半端に広いです。

しかも古い土地柄なので、いまだに「おひまち」があります。←廃止にならんものか・・・。

先日、母とそういう会話になりましたら

アンタが“もし”結婚したら、と思うと家と土地を手放すのはもったいないと・・・

そう言われました。

“もし”って・・・。

0%に近い可能性をアテにするのはやめよーよ、お母さん・・・。

わたしがこの本を読んでホっとするのは、ひとりの女性の毎日をダラダラ描いたマンガだから。

問題は解決されることなく、流されていく。

それでいいじゃんって思います。

なんでも解決すりゃいいってもんじゃないってば。

こういう作品、苦手な方もいらっしゃると思います(他人の弱さを認められない人っているからね)。

わたしは好き。

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2009年11月09日

“白蝶花”

宮木あや子氏の「白蝶花」です。

「花宵道中」で第五回「R-18文学賞」大賞を受賞した宮木あや子氏が描く、純愛官能ロマンです。

舞台は戦前・戦中・戦後です。

白蝶花(はくちょうばな)
宮木 あや子
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昭和十九年。

酒田の女学校を卒業した千恵子は、福岡県知事の屋敷に奉公するために博多へ渡った。

雑誌の小説のなかでしか知らなかった、華やかな世界が博多にはあった。

屋敷の美しい令嬢・和江との友情。

書生の政吉との初めての恋。

やがて政吉に召集令状が届く。


もう一度抱いて。ずっと忘れられないように。


有馬の芸者置屋に売られた姉妹・菊代と雛代をヒロインにした「天人菊」

借金のため、父より年上の男の妾とされた泉美をヒロインにした「凌霄葛」(のうぜんかずら)

女中奉公の娘・千恵子と屋敷の令嬢・和江を描いた「乙女椿」

戦後の和江を描いた「雪割草」

4編の連作短編で構成されています。

「天人菊」と「凌霄葛」は、つながりがない話だと思っていたのですが、「乙女椿」でつながり、伏線だったと気がつきました。

共通するのは、閉塞感確執です。

芸者の菊代と雛代は、姉妹としては姉の菊代が力関係では上。

しかし、芸事に関しては雛代のほうが上。

そこに男が絡むので、その確執はなかなかです。

父の借金のかたに、財閥の主の妾となった泉美は、その立場ゆえ、外界とのつながりを一切失ってしまいます。

女中奉公の娘・千恵子は、屋敷の令嬢・和江と友情らしきものを育みますが、千恵子が書生の政吉と恋に落ちたため、千恵子と和江の間にはどうしようもない隔たりができてしまいます。

戦後、階級社会の女の生き方から外れてしまった和江は、心無い噂に悩まされます。

「女」って、女であるだけで理不尽な目に会うものだよな~などと、ときどきわたしは思ってしまいます。

女の特権~♪ってのもあると思うんですけど、マイナス面ばかりが目につくものなのです。

婦人病を抱えているので、よけいそう思うんだと思います。

物質的には恵まれた時代に生きているわけですが。

戦前・戦中・戦後ならなおさらのことです。

女衒に売られたり、妾にされたり、自分でどうしようもできない運命を背負わされてしまったり。

そんな時代に自分の愛を貫き通し、生き抜いた女性たち。

「子を産む性」であることを厭うことが多いわたしですが、「子を産む性」である女はやはり強いです。

ものすごくしたたかです。

そんな女性たちを誇らしく思ったり。

それとですね~、わたし昔の「少女小説」系(吉屋信子・中原淳一・少女の友、など)がものすごく好きなので、令嬢・和江と女中・千恵子の友情らしきものには、ドキドキしたです。

洗練された博多に出てきて、百貨店やカフェにときめく千恵子の気持ちはよっくわかりました。

中原淳一の描く少女のような容貌を持った令嬢・和江に見とれる千恵子の気持ちもね。

愛する男への気持ちを貫く、メインヒロインの千恵子。

彼女は男への思いと、和江への友情の二つを同時に貫きます。

和江が千恵子に出した手紙、

私の最愛のおともだち。


の部分は、ちょっと泣きそうになりました。

官能描写が、ちょっと唐突な印象を受けますが、この時代の雰囲気・浪漫が好きと言う方にはオススメです。

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2009年10月26日

“家、家にあらず”

「吉原手引草」で第137回直木賞を受賞した、松井今朝子氏の「家、家にあらず」です。

松井氏は、「非道、行ずべからず」(マガジンハウス)、「家、家にあらず」(集英社)、「道絶えずば、また」(集英社)、の三作を「花伝書シリーズ」としています。

タイトルはすべて世阿弥の「風姿花伝」から。

「風姿花伝」からタイトルをとっているので、「芝居」は欠かせません。

「花伝書シリーズ」は、「非道~」→「家~」→「道~」の順で発行されています。

時代的には「家~」→「非道~」→「道~」になっています。

どこから読んでもいいと思います。

わたしは発行順に読みましたが、記事にするのは時代順。

書きやすいから。

「家、家にあらず」が他の二作と異なるのは、主人公、舞台、時代です。

他二作が、「芸に生きる男たちをとりまく物語」であるならば、この「家、家にあらず」は「女と家、血をめぐる物語」です。

男も女も人生修羅場です。

番外編みたいなものでしょうかね。

家、家にあらず (集英社文庫)
松井 今朝子
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おすすめ度の平均: 5.0
5 結末で見事に収斂
5 集英社文庫のナツイチ、2008夏の一冊に選ばれていました。
5 主人公よりも魅かれるのは〜
5 「家」とは・・・


江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘、瑞江は、母の縁者だという「おば様」の勧めによって、外様大名・砥部家上屋敷の奥御殿に勤めることとなった。

お目見え以下の「三之間」勤めとなった瑞江は、女だけの世界で、権勢をふるう「おば様」こと御年寄の「浦尾」や、様々な女たちの嫉妬と欲望の渦に飲み込まれていく。

時を同じくして、瑞江の父・伊織は、人気役者・小佐川十次郎と砥部家下屋敷の御殿女中との情死事件の担当に。

瑞江の勤める上屋敷でも不可解な殺人事件が起こる。


主人公の瑞江は17歳。

母を昨年なくし、父と弟・平佐衛門の三人暮らし。

家事は父の手先の女房が取り仕切ってくれるので、そう苦労はしていませんでした。

母の縁者だという「おば様」は「嫁入り前の行儀見習い」として瑞江に奥御殿勤めを勧めます。

「おば様」といっても血縁でもなんでもないその女性は、実は、砥部家の奥向き一切を取り仕切る御年寄だったのです。

おば様こと浦尾は、瑞江のことを「部屋子」とはしないで、「三之間」勤めとし、面倒を見てくれるどころか、気にかけてもくれません。

「どうして自分をこんなところに来させたのか?」

瑞江は常に疑問に思いつつ、話は進みます。

瑞江が奥御殿初心者目線なので、読者側も、だんだんと奥のことがわかるようになっています。

奥御殿の女中の身分や役職もだんだんとわかってきます。

大名家の奥御殿は、大奥の小型版ですね。

下っ端の「三之間」や「お末」がどういう暮らしをしているのか、ドラマなどではよくわからないけれど、この作品ではくわしく書かれていて、なるほど!と思いました。

砥部家は二十三万石の外様大名。大大名と言えます。

奥向き一切を取り仕切る「御年寄」浦尾の権勢も、大奥並です。

殿様と奥方様の信任厚く、奥女中に畏敬の念を持たれる浦尾は、情に左右されない、役目に徹する女性として描かれています。

完璧な御年寄として描かれている浦尾は、過去、とある過ちをおかしています。

その浦尾を、主人公がどんな目で見つめているのか?

瑞江の視線はたびたびぶれます。

しかも、この作品は瑞江の視線で描かれていながら、瑞江の心理をすべて明かしているわけではありません。

誇らしく思うこともあれば、恐ろしいと思うこともあり、その心を見て見たくもあり、見たくもなく。

人間って、視線や心理がぶれるのが普通だと思うんです。

この人のこんなところが好きだけど、ここはいただけないわ、とか。

そういうリアルな視線、心理のぶれが、クライマックスに向けて大きな役割を果たしています。

「家、家にあらず」は、「風姿花伝」の

家、家にあらず。継ぐをもて家とす。人、人にあらず。知るをもて人とす

という部分。

この時代の女性は

女三界に家なし

女は幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないとされるから、一生の間、世界のどこにも安住の場所がない。

女は血を繋ぐためだけのものなのか?

瑞江は奥御殿で、様々な女の生き方を目にします。

寵を競った側室の争いは、やがて世継争いへと発展し、男たちを巻き込み「お家騒動」勃発寸前。

ストレスを抱える女だらけの城で、女たちが憂さ晴らしのために起こした出来事は、「殺人」へと発展します。

家、家にあらず。継ぐをもて家とす。

と、いうならば、瑞江は浦尾から「女の生き方の一例」を継いだ(教えられた)、ということになります。

瑞江は浦尾のように生きるのではなく、瑞江自身が生き方を選ぶのです。

ところで、女であっても奥御殿の御年寄ほどであれば、「家」を興せるそうです。

浦尾ほどであれば知行は五百石以上(そこらの旗本以上)。

女であっても一家の主。

家名を立て、家中から養子をもらい、家を継がせることができる。

つまりは老後は一安心、墓守も一安心ってことですね。

女とは、それほど頼りなく生きていかなければならないものなのか、ああああ~、と思ったり。

この「家、家にあらず」は、松井今朝子氏ファンの間では「直木賞」モノ!!と言われていたそうです。

「直木賞」は、よく、この作品で受賞だろう!という作品ではとれず、他の作品で受賞することが多いと言われています。

この作品もそうだったんですね・・・。

わたしも「吉原手引草」(おもしろかったですよ!)より、「家、家にあらず」のほうが、いいな、と。

どうでもいいことですが、御年寄・浦尾が、「大奥」(フジテレビ)の滝山様(浅野ゆう子)と被って仕方なかったです。

セリフが滝山様で流れてきます。

ホラ、今、再放送してるし。

この作品がドラマ化されるならば、浦尾役は滝山・・・じゃなくって浅野ゆう子さんで、是非。

瑞江の数十年後は、「道絶えずば、また」で判明します。

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