2009年11月09日

“白蝶花”

宮木あや子氏の「白蝶花」です。

「花宵道中」で第五回「R-18文学賞」大賞を受賞した宮木あや子氏が描く、純愛官能ロマンです。

舞台は戦前・戦中・戦後です。

白蝶花(はくちょうばな)
宮木 あや子
新潮社
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昭和十九年。

酒田の女学校を卒業した千恵子は、福岡県知事の屋敷に奉公するために博多へ渡った。

雑誌の小説のなかでしか知らなかった、華やかな世界が博多にはあった。

屋敷の美しい令嬢・和江との友情。

書生の政吉との初めての恋。

やがて政吉に召集令状が届く。


もう一度抱いて。ずっと忘れられないように。


有馬の芸者置屋に売られた姉妹・菊代と雛代をヒロインにした「天人菊」

借金のため、父より年上の男の妾とされた泉美をヒロインにした「凌霄葛」(のうぜんかずら)

女中奉公の娘・千恵子と屋敷の令嬢・和江を描いた「乙女椿」

戦後の和江を描いた「雪割草」

4編の連作短編で構成されています。

「天人菊」と「凌霄葛」は、つながりがない話だと思っていたのですが、「乙女椿」でつながり、伏線だったと気がつきました。

共通するのは、閉塞感確執です。

芸者の菊代と雛代は、姉妹としては姉の菊代が力関係では上。

しかし、芸事に関しては雛代のほうが上。

そこに男が絡むので、その確執はなかなかです。

父の借金のかたに、財閥の主の妾となった泉美は、その立場ゆえ、外界とのつながりを一切失ってしまいます。

女中奉公の娘・千恵子は、屋敷の令嬢・和江と友情らしきものを育みますが、千恵子が書生の政吉と恋に落ちたため、千恵子と和江の間にはどうしようもない隔たりができてしまいます。

戦後、階級社会の女の生き方から外れてしまった和江は、心無い噂に悩まされます。

「女」って、女であるだけで理不尽な目に会うものだよな~などと、ときどきわたしは思ってしまいます。

女の特権~♪ってのもあると思うんですけど、マイナス面ばかりが目につくものなのです。

婦人病を抱えているので、よけいそう思うんだと思います。

物質的には恵まれた時代に生きているわけですが。

戦前・戦中・戦後ならなおさらのことです。

女衒に売られたり、妾にされたり、自分でどうしようもできない運命を背負わされてしまったり。

そんな時代に自分の愛を貫き通し、生き抜いた女性たち。

「子を産む性」であることを厭うことが多いわたしですが、「子を産む性」である女はやはり強いです。

ものすごくしたたかです。

そんな女性たちを誇らしく思ったり。

それとですね~、わたし昔の「少女小説」系(吉屋信子・中原淳一・少女の友、など)がものすごく好きなので、令嬢・和江と女中・千恵子の友情らしきものには、ドキドキしたです。

洗練された博多に出てきて、百貨店やカフェにときめく千恵子の気持ちはよっくわかりました。

中原淳一の描く少女のような容貌を持った令嬢・和江に見とれる千恵子の気持ちもね。

愛する男への気持ちを貫く、メインヒロインの千恵子。

彼女は男への思いと、和江への友情の二つを同時に貫きます。

和江が千恵子に出した手紙、

私の最愛のおともだち。


の部分は、ちょっと泣きそうになりました。

官能描写が、ちょっと唐突な印象を受けますが、この時代の雰囲気・浪漫が好きと言う方にはオススメです。

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posted by くみ at 19:45
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