2009年04月19日

“左近の桜”

長野まゆみ「左近の桜」です。

この作品は長野センセのデビュー20周年を飾るシリーズ第一作目だそうです。

10代後半、20代前半とわたしは長野まゆみさんの作品が大好きでした。

「少年アリス」「野ばら」「夜間飛行」「天体議会」「魚たちの離宮」「夏至南風」「テレビジョン・シティ」などなど、発売されるのが楽しみでした。
あの頃は、全部ハードカバーを買って読んでたわ。
とにかく、本の装丁が素晴らしく美しかったんですよ。

その後、数年読まない時期があり、「新世界」「白昼堂々」などの長編シリーズを読んだのが20代後半。

長野センセの作風も少しずつ変わってきました。

わたしも若い頃のように、なんでもかんでも読むのではなくて、自分の読めるものだけ選んで読むようになりました。

しかし・・・この作品は最初はどうしようか迷った・・・。

問題はオビ!!

なんだよ!!このオビは!!これ考えたの、担当だろ!!

書店で、友人に

「ねぇ、このオビのコレさ、ちょっとあからさますぎやしませんかね?」

って言ったら、友人に、

「今更じゃん」

と言われた・・・・。

そうだよ、今更だけどさ。

どうせ図書館で借りるんだけどさ。

交わりを求めてくるのは、あやかしの者ばかり。

その気はないけど、ちょっといい感じ?!


って、なんだそりゃ!!??

長野作品は「文学」なので、BL小説のようなあおり文句はカンベンね。

左近の桜
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贔屓すじだけを相手にする宿屋「左近」

実のところ、男同士が忍びあう「連れこみ宿」である。

その「左近」の長男、桜蔵(さくら)は16歳。

本人、まったくそっちの気はないのだが、何故か男を拾ってきてしまう性分の持ち主。

「男を拾ってくる」というよりは、「男が憑いてくる」と言ったほうが正しい。

桜蔵に近づいてくる「男」は、みな人外の者なのだ。

ってことで、男同士の連れこみ宿って設定はなんなんだよっ、とか思いつつ読みましたです。

こういう設定なのに、下品にならないところはさすが長野まゆみ。

下品どころか、文章はどこまでも上品で、描かれる世界は怪しく美しい。

これがたとえば巷によくあるBL小説だとすると、桜蔵に惹きつけられたあやかしたちは、さっさと桜蔵を押し倒し、なんだか桜蔵もその気になちゃって、あーれーvvなシーンが展開して、気を失って、気がついたら「なんだったんだ?あれは夢か?」とか思うと、身体中キスマークだらけだった・・・というカンジになるのでしょう。たぶん。
↑あ、わたしがこういうものばっかり読んでいると思わないでくださいよ。

そうはならないのよ、長野作品。

まず、すべて未遂だし。←じゃなくって!!

あやかしたちはするりと静かに桜蔵に近寄ってくる。

優雅で、蠱惑的に。

しかし、桜蔵は、少年らしい潔癖さで、それらに抗う。

その態度があやかしたちをますます惹きつけるのだが、彼はそれに気がつかない。

触れられたと思われた、その瞬間、意識は遠のき、あやかしたちは甘やかな余韻だけを残し去っていく。

桜蔵は、その後、自分の家の風呂場でのぼせて倒れていたり、道端で倒れていたり、草むらにころがされていたりします。←最後は雑な扱いをされている・・・。

不思議な世界と現実世界が入り混じっているような感じ。

すっと現実世界に戻るところがまた見事。

桜蔵は決して男になびいたりしません。

彼女もいる。キスまではした。

しかし・・・どうも彼の周りの男たち、父親・征、常連客・浜尾、そして母親までもがそっちの嗜好に理解がありすぎる。

父親・征はもろにそっちの嗜好の男なんだが、どうして子どもを作ったのだろうか??

大人たちは桜蔵の本質を見抜き、彼にそれを悟らせようとしている。

しかし、桜蔵はそれを拒否している。

桜蔵はこのまま拒否できるのか??

桜蔵がひろった男のなかで、唯一生身の男・羽ノ浦(教師)がどう関わってくるか??

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2007年03月11日

“若葉のころ”シリーズ完結編

長野まゆみ著「若葉のころ」です。

「白昼堂々」「碧空」「彼等」と続いた<凛一シリーズ>の完結編になります。

シリーズ第一作目「白昼堂々」が発行されたのが1997年。
この「若葉のころ」が発行されたのが2001年。
完結までに結構時間がかかりましたな。
それを首を長〜くして待っていたわたし“達”。

この完結の仕方には、仲間うちでいろいろと意見がありまして、メール交換で“激論”を交わした思い出があります。
“激論”というか・・・わたしが好きな登場人物“有沢改”は誰とくっつくべきか?・・・みたいな・・・アホウな内容でしたが。

<凛一シリーズ>の記事は以下の通りです。

「白昼堂々」→07年1月20日

「碧空」→07年1月22日

「彼等」→07年2月20日

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凛一は希望していた京都のK大に進学し、二回生になった。
二年前(「彼等」の出来事により、心身に痛手を受けた従弟の正午(まひる)はかろうじて立ち直りかけ、凛一と同じK大に進学した。
二人は叔父・千尋が住んでいた家を借りて住んでいる。

凛一が想う氷川享介は同じ京都の明倫館大学の理工学部4回生であり、フットボール部の主将をつとめている。

氷川との仲は相変わらず。
迷えば迷うほど凛一の気持ちは氷川に向かう。
氷川はそれを承知していながら、凛一を拒まず、寛容な態度をとる。
二人は大学も専門も、そして大学卒業後の進路さえ異なるが、それを二人の間で会話にしたことはなかった。

そんななか、かつて凛一が惹かれた上級生・有沢改(「碧空」登場)が三年ぶりに帰国し、凛一を訪ね京都へやってくる。
三年前、凛一は有沢に惹かれはしたが、その分、氷川への想いを再認識していた。

凛一は明倫館大側から氷川の肩の故障の情報漏れを疑われる。
従兄(正午の兄)・暁方(あきを)は一昨年までK大フットボール部の主将をしており、情報漏れを疑われる理由はあった。

流言のせいなのか、匿名の電話で忠告を受けたり、路上で自転車にぶつけられるようになる凛一。
氷川に迷惑が及ばないように・・・。

いくつかの想いが交差し、凛一はついに氷川に告げる。

「もう、逢うべきじゃない」

わたしの大好き人物“有沢改”再び登場しまして、思いっきり、話をかき回してくれました。
わたしの周りでは、当時「この人、邪魔」扱いだったのですが。
いいんだよ。報われない人が好きなんだ。

いや、そんな下世話な作品じゃないんです。

静かに四季がめぐり、人々の動きが描かれる。
長野まゆみ氏の世界の真骨頂です。

1970年代と言えば、わたしが生まれた年代。
当時の日本は現代のように騒がしくなかったことでしょう。
電子音が存在しなかった時代。
その時代と、どこまでも静かに想いが揺れる物語がぴたりとはまります。

「もう、逢うべきじゃない」

その後、二人がどうなったのか??
完全な結末は描かれないまま、物語は終ります。

それでいいと思う。

二度と戻らない“一瞬”を描いた作品なのですから。

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2007年02月20日

“彼等”ただ一度きりの時間。

長野まゆみ著『彼等』です。

凛一シリーズ三作目。

あれ??このまえ『碧空』の記事書いたのはいつだっけ??

第一作『白昼堂々』が→1月20日

第二作『碧空』が→1月22日

あれ??1ヶ月たってしまっている・・・。
何、のろのろしてんだ!?

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華道・天海地(たかち)流の跡継ぎ、凛一は高校三年生になった。
志望する大学は京都のK大。
亡き父の出身校でもある。
そして、凛一の想う人、氷川享介は京都・明倫館大学の二回生になっていた。

亡き母の歳の離れた弟・千尋は、いままで凛一の親がわりのつもりで世話をやいていてくれたが、結婚し、いままでのように凛一も悩みを打ち明けることができない。

かわりに登場するのは千尋と同い年の異母兄弟・千迅(ちはや)。
千迅は凛一の母方の祖父の庶子だが、実は天海地(たかち)流の教授各で、凛一の父の直弟子だった。

彼は、凛一の才能も資質も、凛一の亡き父・晟には遠く及ばないとはっきりと公言している。

この男、才能を持ちながらも、それが過ぎ、道楽に走るタイプ。
だが、庶子と生まれたせいか、相手の望むことをすぐに見抜き、そのくせ自分からは相手に何も要求しない。


氷川との仲はあいかわらず。
凛一は氷川への気持ちを隠そうとしない。
氷川はそれに気がつきながらも、友達のように振舞う。

いや男友達同士なら普通はキスまではしないか・・・。

というわけで二人の仲はキスまでです。
それ以上でもそれ以下でもない。

そんな日々に突然、大事件が起こる。

凛一の母方の従弟・正午(まひる)が心を病んでしまうのだ。
正午は「もう二度と人を信じたり好きになったりしたくない」という。

この正午の事件のあと、凛一は正午の秘密を抱え、正午は凛一に当たり、心身疲れてしまいます。

しかし、そのことで凛一の心の長けが伸びたようにも感じます。

ま、しかし、誤解が誤解を招いたり、いろいろあるわけです。←ものすごい省き方・・・。

氷川もまた、凛一との関わりに意味を見出そうとする。

シリーズの起承転結の、まさしく『転』なのがこの本です。

この一瞬は容赦なく過ぎていく。


この本の最後のほうで書かれている言葉です。
彼等が一緒にいられる時間は、一生のうちのほんの短い時間だと、感じさせられます。

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2007年01月22日

“碧空”

長野まゆみ著『碧空』です。

1月20日に書きました『白昼堂々』の続編です。

碧空
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この本が発売されたときは「嬉しい」というより戸惑いました。
『白昼堂々』が完結しているものだと思っていたため、続編は不要なのではないか?と思ったのです。

が、しかし、読んでみたら

新たに、たいそうわたしが好きなタイプの人物が登場しまして、

ええ、面白かったです。

何もわたしは「容姿端麗・頭脳明晰・最強無敵」な人ばかり好きなわけではありません。
それでも「容姿端麗」と「頭脳明晰」は外せませんが。←・・・。
どこかしら「不安定」な人で、ちょっとワルが好きなのです。
実際いたら嫌な人かもしれません。

ともかく、この作品は『文学』ですから!!!

華道の家元の跡継ぎ(凛一)とアメリカンフットボールのエース(氷川)の出会い。
その続き。

『白昼堂々』で京都の大学へ進学することを決めた氷川。
高校生になった凛一は、離れた氷川に思いを寄せながら暮らしていた。
ある日、写真部(凛一は高校では写真部)の部室で有沢改(ありさわかい)という帰国子女枠で編入してきた2年生と出会う。
有沢は横柄な態度で凛一に「モデルになれ」と言う。
有沢が帰国したのには理由があった。

そう、この「有沢改」がわたしが大好きな人物です。
凛一にいきなり横柄な態度で接し、構うかと思えば突き放す。
容姿端麗・頭脳明晰な彼ですが、神経質でどこか不安定。
彼は心臓に疾患を抱えていたのでした。

ま〜、この作品を読んでいる知人たちからは「間男」扱いされてましたが。
でも、わたしは彼が好きなんです!
凛一、ノーマル嗜好の氷川より、どっちでもOK(・・・)な有沢を選べばいいよ!!!と思ってました。

凛一は有沢に惹かれます。
でもその感情は氷川へ向けるものとは違う。

どうしようもないことってありますよね・・・。

有沢は最初から一時帰国の予定でした。
だから「深く関わらない」という前提があった。
彼の趣味は「写真」ですが、その被写体にはテーマがあります。
「表層」
彼は目に見えるもの以外は何もない、と語ります。
自分の不安定で弱い身体を肯定できない彼のこだわりです。

有沢に心をかき乱されえても、凛一はやはり氷川を思います。
結構難儀な性格です。

物語は『彼等』へと続きます。

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2007年01月20日

“白昼堂々”

長野まゆみ著『白昼堂々』です。

え〜、わたしの持っているものは1997年9月発行第一刷。
ってマジかよ・・・10年前・・・。

もともとは『上海少年』という短編集のなかの作品でした。
その短編に加筆され出版されたのが、この『白昼堂々』です。
長野まゆみさんは、初期は『少年』しか出てこない作品が多かったのですが、だんだんと女性が登場するようになり、女性が主人公のものも出版されました。
『上海少年』でも女性の視点の作品があります。
この『白昼堂々』にも女性は登場し、微妙に絡んできます。

『上海少年』のなかでも、この『白昼堂々』は人気があったようです。
シリーズ化(全4冊)され『凛一(りんいち)シリーズ』と言われています。

で、これが↓最初に発表された『上海少年』。

上海少年
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昭和30年〜40年辺りが舞台の短編集。
(わーい!わたし、まだ生まれてないぞ!!)

で、↓が加筆修正し出版された『白昼堂々』です。
白昼堂々
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わたしはこのシリーズを全巻買ったヒトを4人知っている!←うち3人本屋・・・。

当時職場で同僚だったOさんってヒトと
“『上海少年』で一番面白かった話は?”
って話をしたんだ。で、
“表題作の『上海少年』と『白昼堂々』が面白いよね”
って二人とも言って。
それから『白昼堂々』が加筆されて発売されて、わたしは最初は買うのを迷っていて、で、Oさんが買ったっていうから感想きいたら

「ふっ。ってかんじ。」←注・当時まだ「腐女子」という言葉はない。

って返ってきて、購入を決めたんだった。
そしたら、この本の

“華道の家元を継ぐ少年とアメリカンフットボールのエースとの出会い”

というオビを見て、同僚Aが

「面白そうですね♪読み終わったら貸してください♪」

でイモヅル式に購入者がゾクゾクと。

ってそれが10年前かよ!?

あ、そこらのボーイズラブ(略してBL)とは違いますから!!

「文学だから!!」←当時、身内で使っていた言葉。

華道“天海地(たかち)流”の家元の孫、原岡凛一(はるおかりんいち)は、高等部への進級がかかっっていた期末考査を不意の発熱のため、受けることができなくなった。
意識のもどった彼に『親族会議』を開いた祖母の家元は驚くべき事実を告げられる。

なんと男子校の試験に従姉でひとつ年上の省子を出席させた、というのだ。

省子は、腰まであった黒髪を切って試験にもぐりこんだ、という。
そして凛一は省子に「交換条件」を持ちかけられる。

自分のかわりに学校(女子高)の言いつけの美術館の監視係の当番に行け。

その条件を飲んだ凛一のまえに、省子の男友達があらわれる。

氷川享介(ひかわきょうすけ)。

それが彼らの出会いだった。

文学です。

文章はどこまでも、静謐で上品。
1970年代の少し懐かしい雰囲気。

同性に惹かれてしまった凛一と、それに気がつきながらも否定せず、だからといって応えるわけでもない氷川。

恋心と友情の微妙な境目を真摯に描いた作品です。

主人公の凛一が好き、というわけでもないし、氷川も嫌いでもないけど、とくに好き、というわけでもない。

彼らに感情移入はできないのですが、ここで重要なのは凛一の従姉である省子。

たぶん、彼女がわたしたち読者の『目』になっていてくれるのだ、と思います。
凛一よりひとつ年上の彼女は、十代なかばにありがちな悩みを抱えています。

“自分が嫌い。女だからなのか、女が嫌いなのかわからないけど”

そんな彼女にとっては同性に好感がもてる凛一が不思議なのです。

わたしは、この作品はこの一冊で完結している、と思ってました。

まさか続くとは!?

『碧空』(あをぞら)へと続きます。

男性にはオススメしませんが、女性にはオススメです。
この本も美しい装幀です。

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2007年01月18日

“超少年”

長野まゆみ著「超少年」です。

ちょっと最近「予想外」なことが起こり肝心の「本ネタ」が滞りがちですな〜。
で、本人も「予想外」のネタで盛り上がったりしてな。
ま〜明日から出勤だし(これを書いているのは1月15日))、今のうちに書き溜めておけばいいやってことで。

1999年の作品です。↓。

超少年―Super Petit‐Prince
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舞台は22世紀。
兄・カイトと暮らす少年・スワンのもとに、『ピエロ』と名乗る少年3人が現れる。

兄・カイトは『ハイパーフットボール』のスター。
兄の試合遠征のため、ひとりで留守をするスワンの前に、『ピエロα』『ピエロβ』『ピエロγ』と名乗る、3人のそっくりな少年が現れる。

彼らはスワンのことを事故で行方不明中の『王子』と呼んだ。

彼ら曰く、『ピエロ』と『王子』は31世紀の<両生類>(アンフィビアン)。

絶滅した『植物』を培養するための『培養装置』が『ピエロ』と『王子』だという。

やがてスワンの身体に水泡が出来、植物が芽吹きだす。

少年しか出てこないので、苦手なヒトは苦手な話。
あ、スワンの兄・カイトは青年ですが。


話の途中でスワンは『ピエロα』が、事故に見せかけ、わざと『王子』を置き去りにしたのだ、と知る。

植物の培養装置として、こん睡状態のまま、身体から発芽させる王子。
王子の意思はどこにあるのか?

『α』はスワンに語る。

「だれもぼくを必要としていない」

果たして自分は『彼ら』の『王子』なのか!?

物語はハッピーエンドで終わります。

なんで身体から植物が生えるのか??

とか

<同調>シンクロって何??

とか

深く考えない。

ほうが面白いです。

長野作品のなかではきらびやかさを感じる一冊。

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2007年01月09日

“天体議会(プラネット・ブルー)”

長野まゆみ著「天体議会」です。

最近、また本が増えてきまして・・・(ブログはじめてからは買う本も増えましたし)ちょっと、本棚に入りきらなくなってきました。
しょうがないから『押入れ行き』です。
その『押入れ』のディ○スで買った『押入れ収納用本棚』もすでにヤバいんですが。
ま、片付ける前にネタにしとこうか?と思いました。
職場復帰する前にキレイな部屋にしておきたい!!

以前、長野まゆみ氏の本は片っ端から集めて読んでました。
かなり処分(ブック○フ)したのですが、まだ残ってまして、この本はその一冊です。

ちなみにわたしの持っている本は1991年第三版の単行本です。
これは↓文庫版。


天体議会 (プラネット・ブルー)
河出文庫
著者: 長野まゆみ
ISBN:4309404243
本体価格 420円 (税込 441 円)

当時、長野まゆみさんの本は地元にはあまり置いてなくて、わたしは浜松の『とある本屋』でいつも買っていました。
その本屋さん、長野まゆみさんの本が常にそろっていました。

まさかその本屋で働くことになるとはな!!!

因縁・・・・??

人口の激減にともなって連盟(ユニオン)が人口管理するようになった社会。
“母”のあり方は大きくかわり、少年・銅貨(どうか)の家族は育ての父と、産みの母と、産みの母が同じで血のつながりがない兄・藍生(あをい)17歳の4人だ。
母は銅貨を産んだだけで、血のつながりはない。そのため家を空けがちである。
父は数年前から南へ赴任し、実質、兄弟二人で暮らしていた。
銅貨の友人・水蓮(すいれん)は祖父と二人暮らし。
二人は中等級の第四学級で13歳。

天体と鉱物が好きな二人は、ある日、行きつけの店『鉱物倶楽部』で自動人形(オートマータ)のような少年と出会う。

その少年は、どうやら銅貨の兄・藍生と顔見知りらしい。
銅貨にとって、兄は見当もつかない人間だ。
最近、外泊気味の兄の秘密とは・・・?

ありえない世界のありえない話です。

まず、『少年』しか登場しない。
大人の名前は出てこない。
長野まゆみさんの初期作品の特長です。

銅貨と水蓮の友情、銅貨と兄との関係、謎の少年。

それらが長野まゆみさん、独特の文体で進みます。
長野さんの文体は初期と現在とではかなり『違い』があるそうです。
彼女が手書きで原稿を書いていた時代とワープロ・PCになってからでは違うということですが。
今、1999年の作品と比べてみましたが、初期のほうが『かなり』漢字が多いようです。

その漢字使いが独特です。

雪雲の拭われた天蓋は、洋墨(インク)のように濃く透明だ。その深遠に、天河(てんが)が鏜々(とうとう)と流れている。目の覚める白金(プラチナ)の煌(かがや)き。


この文体が大好きでした。
どこか宮沢賢治を思わせる漢字使い。
宮沢賢治氏の影響を受けたと長野さん本人もおしゃっていました。

初期の作品・・・どこまでが初期の作品なのかまったくわかりませんが、『少年アリス』『野ばら』『夜啼く鳥は夢を見た』『魚たちの離宮』『夜間飛行』などなど、全部、単行本で持っていました。
装丁が美しかったからです。
コレクションと言ってもよかった。
昔のわたしはお金があったんだな〜。

だいぶ(いや、ほとんど)手放してしまいましたが、この『天体議会』はずっと手元に残っていました。
今でも大好きな本です。

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2006年07月22日

“魚たちの離宮”少年たちの怪談 

長野まゆみ「魚たちの離宮」です。

ども、夏風邪から気管支炎になりました。
ああ、夏の初めに体調を崩すってこういうことだったのね、と思いました。

ずっと雨が降っていましたが、今日は晴れてました。
布団が干せました。
梅雨明けっていつなんでしょう?

今日は暑かったので、日本の夏を堪能でき、しかも少し涼しくなる本。
で、コレです↓。

魚たちの離宮

魚たちの離宮
河出書房新社
著:長野まゆみ
本体価格380円
ISBN:4309403794

長野まゆみさんの本はかなりたくさん読みました。
昔は「コレクター」か!?な勢いで買いまくってました。
装丁が綺麗なので単行本で欲しかったのです。
残念ながらいまは文庫のみしか発売されていないとのこと。

夏休みに入り、市郎は友人「夏宿」(かおる)の家に遊びに来ていた。
夏宿は、もともと活発な少年だったが、夏の初めに家の池に落ちてから体調を崩し、学校も休んだまま、夏休みに入ってしまったのだ。
久しぶりにあう夏宿はすっかり、線の細い少年になっていた。

夏宿の家の庭は水の沸く崖線にあり、池が広く緑の中に横たわっていた。
池には鯉たちがいる。
「白眉」と名づけた鯉を「兄さんは白眉なんだよ」と意味不明な発言をする、夏宿の弟「弥彦」。
弥彦は夏宿を敬愛している。
そして、夏宿の家になぜかいつも出入りしている弥彦のピアノ教師「諒」(まこと)。

謎の発言が多くなる弥彦。

そして市郎は、忘れていた真実に気がつく。

クーラーとか無粋なものは一切出てこない話です。

盂蘭盆の頃の話なんです。

私の住んでる地域は迎え火、送り火、まだ炊いてますが、もうやらない地域のほうが多いんでしょうね。
迎え火、送り火、ご存知ですか?

長野まゆみさんの本、文章は印象を味わうのが醍醐味だと思います。
深く考えないで、言葉を楽しむほうがいい。

ああ、でも私、最初の頃は諒の存在が気になってしかたなかったですよ。
だっておかしいんだもん。この人!
ピアノの家庭教師なのに、なぜかずっと夏宿の家にいるんですよ。
住み着いてるみたいに。
無粋ですが私、「変態!!!」と思ってしまいました。
夏宿の家は資産家らしいですが。


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