「現代のシェヘラザード」「ダーク・ファンタジーの女王」と言われる彼女の作品、実は読んだのははじめてです。
この作品は「タニス・リー版・白雪姫」らしいです。
ギリシャ神話の有名な、「冥王ハデスが収穫の女神デメテルの娘・ペルセポネを攫い強引に結婚してしまった」という逸話もモチーフとしてちりばめられています。
黒は森、白は雪
雪の下に伸びるは赤き薔薇。
髪は森のように黒く、白い肌は雪よりも美しく、血のごとく赤き唇、瞳は明るい水灰色。
王女アルパツィアが14歳になった冬の日、彼女の住む城は征服者ドラコによって陥落し、連れ去られた彼女はドラコによって陵辱される。
アルパツィアはドラコによって「豊穣の女神デメトラの土地」ベルグラ・デミトゥに連れて行かれ、無理矢理に王妃にされ、やがて敵中で女の赤ん坊を産み落とす。
14歳の若すぎるアルパツィアには、自分の産んだ子をどうしても認めることができなかった。
生まれた王女は「鮮烈な白さ」という意味に由来する名「カンダシス」と名づけられた。
まわりは本能的に王女を母親から引き離し、母親も娘を愛そうともしなかった。
カンダシスはまわりのものから「コイラ」(娘という意味)と呼ばれ、母を知らずに育った。
しかしコイラが7歳になったある日、彼女は城でたまたま見かけることのある、美しく冷たい女、侍女たちから「魔女」と呼ばれている女が自分の母親であると気付く。
「白雪姫」の魔女が、実は「継母」ではなく「実母」だった、というのは結構知られている話ですよね。
グリム童話の本が売れたことがありました。
白水社のこのシリーズ↓。
桐生操氏のこのシリーズ↓。
当時、売れましたね〜。
何故だか知らないけれど、わたしは幼い頃から、「白雪姫」に出てくる「魔女」が、「白雪姫の本当の母親」だと思っていました。
実際、実の母娘だからこその「確執」というものを、わたしは幼い頃から無意識に感じていたのだと思います。
大人になってはっきり意識するようになりました。
だから、「魔女」が「白雪姫の本当の母親」でも違和感を感じたことはありません。
むしろしっくりハマる。
さて作品の「白雪姫」の母親「アルパツィア」
男女の営みも知らぬ、幼さで陵辱され、得体の知れないものを身ごもった恐怖。
たったひとり、敵中にいる恐怖。
その果てに産み落とした娘への嫌悪。
リアリティを感じました。
が、
妊娠したことないので、本当のことはわかりません。
自分の敵で、自分を無理矢理犯した、しかも生理的に嫌悪感を感じる男の子どもを、果てして愛せるものなのか??
わかりません。
生まれた娘が自分そっくりだったとしたら・・・??
まるで鏡を見ているように、自分に見えてしまったら・・・??
アルパツィアは幼くして母となり、王妃となり、誰も彼女を成長させようとしませんでした。
アルパツィアの心はいつまでも14歳のままなのです。
いつまでも美しさが保てるわけではなく、やがて老いて醜くなり・・・。
娘の「コイラ」は彼女と別の道を歩むことになります。
彼女を目覚めさせた「王子」は、彼女にとって「救い」ではありませんでした。
死んでいる娘に何かしようとする男なんて、よっく考えれば・・・アブノーマル??
この作品、ダーク・ファンタジーと言われてはおりますが、ファンタジーなのは「文章」であって、書かれている内容はとてつもなく「リアル」ではないか?と思いました。
文章はまるで色の洪水のようです。
タニス・リーの文章は和訳するのがむずかしいのでしょうか??
曖昧な表現が多いので、若干読みにくいです。
けれど、わたしは彼女のほかの作品も読んでみたいと思いました。
参加中です↓。励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
タグ:本
