2007年03月11日

“若葉のころ”シリーズ完結編

長野まゆみ著「若葉のころ」です。

「白昼堂々」「碧空」「彼等」と続いた<凛一シリーズ>の完結編になります。

シリーズ第一作目「白昼堂々」が発行されたのが1997年。
この「若葉のころ」が発行されたのが2001年。
完結までに結構時間がかかりましたな。
それを首を長~くして待っていたわたし“達”。

この完結の仕方には、仲間うちでいろいろと意見がありまして、メール交換で“激論”を交わした思い出があります。
“激論”というか・・・わたしが好きな登場人物“有沢改”は誰とくっつくべきか?・・・みたいな・・・アホウな内容でしたが。

<凛一シリーズ>の記事は以下の通りです。

「白昼堂々」→07年1月20日

「碧空」→07年1月22日

「彼等」→07年2月20日

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凛一は希望していた京都のK大に進学し、二回生になった。
二年前(「彼等」の出来事により、心身に痛手を受けた従弟の正午(まひる)はかろうじて立ち直りかけ、凛一と同じK大に進学した。
二人は叔父・千尋が住んでいた家を借りて住んでいる。

凛一が想う氷川享介は同じ京都の明倫館大学の理工学部4回生であり、フットボール部の主将をつとめている。

氷川との仲は相変わらず。
迷えば迷うほど凛一の気持ちは氷川に向かう。
氷川はそれを承知していながら、凛一を拒まず、寛容な態度をとる。
二人は大学も専門も、そして大学卒業後の進路さえ異なるが、それを二人の間で会話にしたことはなかった。

そんななか、かつて凛一が惹かれた上級生・有沢改(「碧空」登場)が三年ぶりに帰国し、凛一を訪ね京都へやってくる。
三年前、凛一は有沢に惹かれはしたが、その分、氷川への想いを再認識していた。

凛一は明倫館大側から氷川の肩の故障の情報漏れを疑われる。
従兄(正午の兄)・暁方(あきを)は一昨年までK大フットボール部の主将をしており、情報漏れを疑われる理由はあった。

流言のせいなのか、匿名の電話で忠告を受けたり、路上で自転車にぶつけられるようになる凛一。
氷川に迷惑が及ばないように・・・。

いくつかの想いが交差し、凛一はついに氷川に告げる。

「もう、逢うべきじゃない」

わたしの大好き人物“有沢改”再び登場しまして、思いっきり、話をかき回してくれました。
わたしの周りでは、当時「この人、邪魔」扱いだったのですが。
いいんだよ。報われない人が好きなんだ。

いや、そんな下世話な作品じゃないんです。

静かに四季がめぐり、人々の動きが描かれる。
長野まゆみ氏の世界の真骨頂です。

1970年代と言えば、わたしが生まれた年代。
当時の日本は現代のように騒がしくなかったことでしょう。
電子音が存在しなかった時代。
その時代と、どこまでも静かに想いが揺れる物語がぴたりとはまります。

「もう、逢うべきじゃない」

その後、二人がどうなったのか??
完全な結末は描かれないまま、物語は終ります。

それでいいと思う。

二度と戻らない“一瞬”を描いた作品なのですから。

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posted by くみ at 14:25| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(長野まゆみ) | 更新情報をチェックする
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