「花宵道中」でデビューした大型新人・宮木あや子氏は「閉塞」の中での「恋」を描き続けています。
この「雨の塔」は古の少女小説のような、「女子校」が舞台です。
吉屋信子大先生の流れを汲んでいる、と申しましょうか。
あ、わたし、吉屋信子センセイ大好きです(ってこのブログで言い続けております)。
宮木 あや子
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資産家の娘だけが入学できる全寮制の「岬の学校」
衣服も食べ物もなんでも手に入る。
授業を出る出ないも個人の勝手。
ただ、「自由」と「情報」はない。
それぞれの理由で、この学校に入った4人の少女たち。
海に近い塔のような寮の中で、少女たちの感情が交差する。
「資産家の少女たちしか入学できない全寮制の学校」という設定に釣られました。
まぁ!ステキ!!と思いページをめくったら、
あっれーーーっ!!??
と。
大正・昭和初期浪漫を思い浮かべてたら、「現代物」でした。
この設定は現代日本じゃ無理があるだろー、と思いつつも、わたしは楽しく読みました。
「学校」のために「街」がつくられていて、少女たち(大学生)は、学生証だけで買い物ができるって・・・。
なんというか・・・向上心のない人間にはワンダーランドかも。
ただし、新聞は読めないし、TVもないし、ネットも使えません。
一つの寮で、登場人物が4人だけって、ま、それだけで無理があるんですが。
小津と矢咲。
三島と都岡。
同室の少女とのみの交流でバランスがとれていた彼女たちの心は、別室の少女との交流をもつことで、その均衡を崩すことになる。
矢咲と三島。
都岡と小津。
他人の境界にうっかり踏み込んでしまい、相手も自分も傷つくということは、誰にでもあること。
人は誰も、そういうことで苦しむことがあると思うのです。
それを癒すのは、新しい人間との交流だったり、趣味に没頭だったり、スポーツに没頭だったりするのかな?
しかし、他に人間もいず、没頭することに意味を見出せない世界に置いては、傷は深くなるばかり。
狭すぎる彼女たちの世界で、どこまでも静かに彼女たちは絶望する。
激しい感情のぶつかり合いや、言い争いはない。
いっそキレて見ればいいのに、残念ながら彼女たちはそう出来るように育てられていない。
息苦しい、けれど美しい、そんな作品です。
この作品、実は明確なオチというものが存在しないのです。
なので、どこまでも「世界観」を楽しむが勝ち。
Amazon.co.jp→雨の塔
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ラベル:本
資産家の娘だけが入学できる全寮制の学校ですか?
なんか、読みたくなってきましたよ。
読みたい本のリストに候補の1冊として加えさせていただきます<(__)>
女子校という言葉に惹かれてコメントしちゃいました。
私、女子大出身なんです。
それも一応、巷ではお嬢様大学と言われていたところ。。
大学名を間違えて受験したと言うオチつき。
でもパラダイスでした~☆
美しいお姉さまばかりだったから、雑誌の中に迷い込んだようで。。
実際、読者モデルさんが多くて有名だったらしいの!
本気でお父様のカードでお買い物している方もいたり、外車でお迎えがきたり・・・
未知の世界でした。
今でも仲良くしているのはチョイセレブなお友達だけですが^^*
なんだか大学時代を思い出してしまいました♪
とっても中身の薄いコメントですみませんー!
はじめまして!
ご訪問&コメントありがとうございます!!
そして、お返事お返事遅くなって申し訳ありません。
>資産家の娘だけが入学できる学校
そうなんですよ!!
現代離れした設定です。
でも登場人物は4人しかでてきません。
独特の雰囲気がありますので、この作品は好き嫌いがはっきりわかれると思います。
お返事遅くなってごめんね。
遅いよな・・・。
遅すぎるよな・・・。
>お嬢様大学
ふむ。ゆうこりんは確か大阪の大学だったよね(違った?)
あそこか!?あそこなのか!?
すげー!!
外車でお迎えとか、そういう世界ってあるんだね~。
わたしは短大時代、いろいろあって馴染めなかったので、いい思い出ないのだよ。
だからいい思い出のある学生時代があるっていいな~と思うよ。