2009年09月19日

“楠の実が熟すまで”

諸田玲子氏の最新刊「楠の実が熟すまで」です。

諸田玲子氏の作品、よく読んでます。

歴史・時代小説が好き、ってこともあります。

でも一番の理由は「面白い」から。

ドラマティックな展開に無理なく入り込めます。

設定がしっかりしていて、創作部分も納得できます。

歴史的背景は読みやすい文章のなかに、無理なく組み込まれています。

説明っぽくないんです。

登場人物は、歴史上の人物だったり、架空の人物だったりしますが、息づかいが感じられます。

歴史上、スポットの当たらない人物を主人公に据えていることが多いのも特長です。

この作品「楠の実が熟すまで」はN○Kの「慶次郎縁側日記」のスタッフでドラマ化して欲しいな~、と思います。

あ、再来年の大河「江~姫たちの戦国~」も「美女いくさ」を原作にしたらいいんじゃない?

そしたら「スイーツ大河」にはならないよ。

楠の実が熟すまで
楠の実が熟すまで
posted with amazlet at 09.09.19
諸田 玲子
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 95651


時は安永。

将軍・家治の治世。

帝のおわす禁裏では、出費が異常に額に上っていた。

探索に送り込んだ者たちは、次々と命を落としていった。

御徒目付の中井清太夫は、最後の切り札として、姪・利津を送り込むことにする。

口向役人・高屋康昆のもとに嫁ぎ、不正の証拠を押さえよ。

期限は半年、秋、「楠の実が熟すまで」

敵方に乗り込んだ、利津の運命は・・・。


武家 対 公家という背景があります。

表向きは従順を装いながら、公家は武家に対して積年の恨みを募らせています。

利津は楠葉村の郷士の娘であり、武士の娘ではありません。

が、叔父の中井清太夫は直参です。

表向きは武士方ということを隠して、康昆の後添いとして高屋家に入ります。

「上意」を受けての輿入れなので、「不承知=死」となります。

断ることはできません。

いわば周りは敵ばかり。

公家に嫁ぐため、懐剣を持参することはできず、自害のためのトリカブトを隠して持ち込む、という覚悟です。

嫁いだ家は、公家とは名ばかりの質素な生活。

偏屈舅に、病と噂される義弟、前妻が残した子、と何かと面倒多い家です。

しかし、不正役人と目を付けられている、高屋康昆は意外なほど、好感の持てる男だったのです。

本当に不正を暴けるのか?

康昆は本当に不正を行っているのか?

自分が不正を見つけてしまったら、この家はどうなるのか?

利津の心はざわめきます。

しかし、高屋家では、次々と怪しい事件が起き・・・。

ミステリーなのかな?

しかし、利津が不正の証拠を見つけるための隠密行動よりも、公家のなかで、公家方と見られない嫁が暮らしていく苦労のほうが、多く書かれているような気がします。

秘密、反目、よそよそしさ。

それらを抱えながら、家を切り盛りしなければいけません。

貧乏公家の暮らし向きの苦労がよくわかります。

下手すると中村主水より貧乏かも。

武家(江戸)に頭を押さえつけられてきた公家の鬱憤もわかるような気がします。

不正はいけませんけどね。

康昆と心を通わすようになる利津。

しかし、「楠の実が熟す頃」は確実に訪れるのです。

ラストは、ハッピーエンドとはいえないけれど、未来ある終り方。

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posted by くみ at 15:54| 静岡 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(諸田玲子) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
諸田先生の本の魅力を教えていただいたことも、
くみさんとブログで知り合えて良かったことの
一つです^^

>でも一番の理由は「面白い」から。
ドラマティックな展開に無理なく入り込めます。
設定がしっかりしていて、創作部分も納得できます。

これは禿同でございます!!
ツマラナイ本を読んでしまった後は、
諸田先生の本で浄化を・・・w
Posted by 豆州 at 2009年09月29日 20:32
>豆州さん

諸田玲子さんの作品「末世炎上」も面白いですよ。
地元新聞に連載されてて、読んだです。

>設定

やっぱ大事ですよね。

諸田センセの作品はかなりドラマティックで、創作部分も多いのですが、史実と照らし合わせても、違和感がない。

だから納得するんですよね。

>ツマラナイ本を読んでしまった後は

「ツマラナイ大河」を観てしまった後にも、諸田センセですね。
Posted by くみ at 2009年09月30日 11:32
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