2009年04月13日

“できればムカつかずに生きたい”

田口ランディ「できればムカつかずに生きたい」です。

えと、田口氏の本を読むのはこれがはじめて・・・?

ち、違う!!はじめてじゃなかった!!!「スカートの中の秘密の生活」は読んだことあった!!

代表作の「コンセント」すら読んでないのに、先にエッセイに手を出してしまって、なんだか申し訳ない気がするのですが・・・。

このエッセイのこのタイトル「できればムカつかずに生きたい」は、はじめて見たときから惹かれるものがありました。

ただ、やはり、「コンセント」が、田口さんのご家族に起こった事実が元だっていうことは知っていたので、ご家族のこととか、生々しいんじゃないか?と躊躇してたのです。

あと「スカートの中の秘密に生活」みたいな、シモネタはいまは読む気分じゃないな・・・とか思ってた(面白いけどね)。

すみません。

この本にシモネタはありませんでした。

できればムカつかずに生きたい (新潮文庫)
田口 ランディ
新潮社
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田口さんは、14歳の頃から「なんだかうまく生きられないなあ」と思っていたそうです。

わたしは、この人は物事をスパっと斬ってしまう攻撃的な人だとばかり思ってました。

事実、20代の頃はご自分で攻撃的だったと書いていらっしゃる。

でも、その前。10代の頃は自己主張すらできなかったと書いてある。

「できればムカつかずに生きたい」

というタイトルをつけた田口さんは、若い頃は、

「ムカつかれずに生きたい」

と思ってたんでしょう。

お兄さんの引きこもり、お父さんのアルコール依存症、お母さんのノイローゼ(いまはノイローゼって言葉はないけど)などの事柄を読んだら、わたしは自分が辛くなる、と思っていたのですが、田口氏の文章はどこまでも淡々としていて、静かで、落ち着いた文章で、感動すらしてしまいました。

お兄さんを亡くされて、すっかり意気消沈してしまったお父さんやお母さんが、田口さんが妊娠され、出産されたことによって光明を見出したところは、「命の力」みたいなものを感じます。

現代社会での生きにくい現実、に田口氏は自分なりの疑問をもち、考え、答えをだしています。

思春期時代に「うまく生きられない」と感じた田口さんは、それからずっと、表現の上で思春期にこだわっている。

「生きにくい」ものに答えを出そうとしている。

ひきこもり、プチ家出、宗教。

かと思えば、アイヌのシャーマン、屋久島の大杉、インドの修行僧。

身近なところではドラえもん。

理屈っぽく書いてないところがいいです。

ドラえもんが「母性賛歌」のアニメかあ。

思ったことなかったけど、田口さんにはドラえもんにも父性が描かれていると伝えたいなあ。

しずかちゃんとのび太の結婚前夜の、しずかちゃんとしずかちゃんのお父さんの会話は、泣けるで!!

ああいうことを母親は娘に言えないと思うんだけどな。

「わたしの身体は誰のもの?」というテーマは、個人的に深く考えずにはいられない。

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ラベル: エッセイ
posted by くみ at 22:13| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(エッセイ) | 更新情報をチェックする
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