2009年02月19日

“はじめての文学 桐野夏生”

桐野夏生氏の「はじめての文学」です。

ヤングアダルト向けです。

この「はじめての文学」シリーズは文藝春秋から全12巻で発売されています。

コンセプトは、

若者に文学を。

ってことらしいです。

作家陣は、村上春樹、村上龍、よしもとばなな、宮本輝、宮部みゆき、浅田次郎、川上弘美、小川洋子、重松清、山田詠美、林真理子、桐野夏生、と豪華です。

甘やかしすぎだわよ。

わざわざ、短編中篇のアンソロジーにして、文字を大きくして、ふりがなふって、しかもこんな豪華な作家陣をそろえてもらって!!

文字を大きくって・・・小学生じゃないんだからさ。

こういうシリーズ、自分が子どものころに欲しかったな。

ま、何をやっても、読む子は読むし、読まない子は読まない、と思いますが。

だって、まったく本(文学)を読まない大人もいるもんなぁ。

この本を手にとったのはまったくの偶然。

図書館で、返却されて棚に戻される途中のラックの中に入っていて、「桐野夏生」って作家名だけで借りるのを決めました。

「はじめての文学」というシリーズも借りてから知りました。

桐野夏生氏の作品は、このブログではそんなに取り上げていませんが、わりと読んでます。

読んだ本、全部をブログの記事に出来たらいいんだけど、記事に出来るのは、わたしの場合は読んだ本の2分の1、3分の1くらいかな?

桐野夏生氏の作品だと、「OUT(アウト)」や「柔らかな頬」はブログをはじめた時点で既読でしたが、もう一度読む直すのも大変だし(長いから)、有名すぎて自分が今更記事にするのもなんかなぁ~と思ってヤメ。
残虐記」は、記事にするつもりで読んだんだけど、取り扱うのが不謹慎な気がしてヤメ。
魂萌え !」は、主人公と自分に世代の差を感じてイマイチでヤメ。

効率悪いのです。

はじめての文学 桐野夏生
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さてこの「はじめての文学」には6篇の短編がおさめられています。

『使ってしまったコインについて』

『アンボス・ムンドス』

『リアルワールド「ホリニンナ」』

『嫉妬』(ファイアボール・ブルース2)

『近田によるあとがき 近田ひさ子』 (ファイアボール・ブルース2)

『植林』

桐野夏生氏、ヤングアダルト向け(子ども向け)でも容赦ないです。

桐野夏生氏は、弱者、醜悪なもの、に対する悪意の描き方が酷です。

悪意に晒され、怪物化する主人公たちもいます。

桐野氏の作品を読むと、己の醜さに気がつきゾッとすることがあります。

そして、同時に妙な既視感を覚えるのです。

こんなことが、わたしにもあった、と思ってしまうのです。

それこそ桐野作品を読む醍醐味である、のかもしれません。

『アンボス・ムンドス』に登場する子どもたちの悪意に、わたしは自分の小学校高学年の頃を思い出しました。

小学校高学年の頃って誰でも繰り返したくないものだと思います。
とくに女子。
わたしだけでしょうか?

子どもの悪意は恐ろしいです。

この『アンボス・ムンドス』は作者自らが「恐ろしい物語」と語っているほどです。

主人公が恐ろしい怪物となる『植林』

容貌がコンプレックスという主人公のあまりの強烈ぶりに、わたしはなんというか

「ブスに生まれなくて良かった」←・・・。

などと思ってしまうのです。

『植林』というタイトルの意味に最後になって気がつきました。

怖い。

桐野氏はあとがきで語っています。

小説には毒がある。

若者相手に毒を減ずる気持ちはない、とも。

目を背けたくなったり、読むのが辛くなったりしても、それが小説の魅力だと。

桐野作品は、まさにその通りです。

現実以上の現実を、突きつけられる小説。

この本、桐野作品を読んだことがなくて、これから読もうとしている方にオススメです。

当分、桐野作品は遠慮したい、という気分になるかもしれませんが。

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posted by くみ at 23:43| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(桐野夏生) | 更新情報をチェックする
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