2009年05月31日

“名前の日本史”

紀田順一郎氏「名前の日本史」です。

最近、子どもの名前がすごいことになっているでしょう?

どんな名前でも「親が一生懸命考えてつけたものだから」・・・と肯定できるものなんでしょうか??

まともな字を当てていれば、「まぁ、いいんじゃない」となるんでしょうけどね。

じゃ、こういうのはどうなんでしょう??




気になったDQNネーム集

最後の「大賀寿」ってなんて読むかわかりました??
この名前は結構、有名ですよね。
「ひろかず」だったら良かったのにね。

わたし、嘉射(かい)くんや、海透(かいと)くんや、空楽(くうが)くんや、心愛(ここあ)ちゃんや、果音(かのん)ちゃんや、歩帆(ほほ)ちゃんや、美月(るな)ちゃんがDQNだとは思っていませんし、いけないとも思ってません。
どう読んだらいいかわからないだけです。

わたしのイトコのムスメだって「優多」(さて、なんと読むでしょう?)だし。

わたし自身、本名の○美は宅配のお兄ちゃんに読んでもらえない度、高いです。

しかし、「煮物(にもの)」「無(む)」とか、普通の感覚でありえんだろー!!!←役所の人の心が折れたんだな〜。

そんなわけでこの本を読むことにしました。

名前の日本史 (文春新書)
紀田 順一郎
文藝春秋
売り上げランキング: 133373
おすすめ度の平均: 4.0
5 とにかく興味深い「日本人の名前の変遷」
4 名前にこめられた思想、価値観、感性を知る
5 日本人の名前の歴史への招待状
3 気軽にくつろいで読める本


古代人の名前は自由でおおらかだったらしいです。

例・動物を名としたもの→葦田蟻臣(ありおみ)。
例・地名、地形を名としたもの→坂上田村麻呂。


その後元明天皇の時代に、大陸文化の影響で、まず地名を二文字にするようになった。

例・明日香→飛鳥・泉→和泉など。

嵯峨天皇の時代に二文字が浸透し、皇子の名が二文字(四音節)、皇女の名が二文字(三音節)が主流となる。

例・皇子→正良(まさなが)、秀良(ひでなが)など。
例・皇女→正子、秀子、俊子など。

「子」は古代では男子につける字であったが、嵯峨天皇の時代から主流は女子へ。

嵯峨天皇の皇子皇女で臣籍降下し、源氏性を名乗ったものは一文字名。皇女は○姫。

例・男性→源融(とおる)、源至(いたる)
例・女性→源潔姫(きよひめ)、源貞姫。

その後、王族の女性の名に「子」が大流行。

平安末期までに貴族全般で「子」が使われるようになる。

庶民の名は自由な発想で、阿由賣(あゆめ)、和子賣(わごこめ)、後、鎌倉時代は姫夜叉、鶴夜叉、土用女、など。

武家社会になってからは、武士は出世魚のように名前が変化するようになり、女性の名は、女性の地位の下降にともない簡略化。

江戸時代の農民は、尊大な名を好み、百官名をつけるようになる。

例→太郎左衛門、八右衛門など。

江戸時代、明治、大正と女性のなまえはひらがな二文字が主流。

例→あき、あま、かめ、せん、たけ、などなど。

明治になり平民に名字が許可され(義務付けられ)、その影響で名前も変化していく。

時代の変動とともに名前の変動も激しくなっていく。

明治初期の男子の主な名前は、源右衛門、市十郎、磯五郎など。

大正初期の男子の主な名前は、忠男、次郎、誠二、昌弘などなど。

そういえば、わたしの父方の祖父。
わたしが生まれる前に亡くなって、明治後半生まれだと思うんですけど、これがまた変わった名前なんですよ。

じーさんの名前→「初優」(さて、なんと読むでしょう?)

その後、女性の名前に再び「子」が登場。
超主流となる。

が、その後高度経済成長終了あたりから「子」が消えていく。

わたし、ここらへん。

男子の名前でも「男」「夫」「雄」が衰退。

昭和末から、漢字のイメージを重視する傾向。

さらに平成に入ってからは、読みの困難な当て字が主流になり、いまにいたる、と。

この本では、さらに「親が子に名をつける権利」についても言及しております。

昔から奇想天外な名前をつける親はいたようです。

例・高倉 田子の浦に打ち出見れば白妙(兄)・高倉 富士の高根(妹)

風流といえば風流ですが・・・当時(明治)新聞のネタになったそうで。

珍名をもつ方は、大体が改名をしていらっしゃるそうで、「煮物」ちゃんや「無」くんも、おそらく改名となるんでしょう。

ぐだぐだ書いてきたとおり、名前の変遷が日本では早い。

ってことで、これからますます期待(??)されるということですね。←違!!

Amazon.co.jp名前の日本史 (文春新書)

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル: 新書
posted by くみ at 17:24| 静岡 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 読書(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月26日

“暴れん坊本屋さん”

久世番子さんの「暴れん坊本屋さん」(1〜3)です。

番子さんは、新書館ウィングスでデビューし、マンガ家と書店員と2足のわらじを履いていらっしゃいました。

いまは、マンガ家さんとして忙しく、書店は辞めてしまわれたらしいのですが。

このマンガは

マンガ家兼書店員の久世番子が本屋さんの本音や裏話を描いた、

赤裸々エッセイコミック!!


です。

もと書店員のわたくし、読んだ感想は

「生々しいな!!」

の一言です。

「番子さん、ここまで描いていいの〜??」と思いつつも、本好きの方にはぜひ読んで欲しいマンガです。

何故、この本屋には、発売日なのにあの本が入荷していないのか!!??

えっ??○○書店、何考えてやがる?怠慢かぁ!?ええっむかっ(怒り)むかっ(怒り)


と、思ったことのある方は、読んで理解して欲しいです。

本屋さんの苦悩を!!!

腰痛の辛さを!!!


番子さん・・・、取次のことぶっちゃけてますが、この↓↓ダンボールだと、どこの取次のこと言ってるのかわかりますよ・・・。



今欲しい!!今売りたい本!!そーゆー本は思い通りに入ってこないことが多い。

これ、「パターン配本」のせいなんですけど、あからさまに描いてくれててすっきりしました。

「パターン配本」って何?って思う方は読んでくださいな。

「パターン配本」との戦いは熾烈です。

本屋さんは忙しい。

ま、本当に本当にヒマな店もあるんですけど、そこそこ売れてるお店は忙しいです。

たぶん、わたしが書店員だったころより、いまのほうがもっと忙しい。

とくに朝!!

最近、雑誌の付録ってすごいから。

雑誌の付録組みは本屋さんの仕事です!!!



本屋さんのPOPにかける情熱。

自分のPOPから、ベストセラーを生み出す。

書店員の夢ですな。

自分的一押しの本にPOPをつけ、それが売れたときは

「よっしゃー!!!」

となります。

ま、売るためには一押しじゃなくともPOP書くんですけど。

ちなみにわたし、もう昔のことですが、

「バトルロワイヤル」

小説だったら中学生でも読み放題!!

R15じゃありません!!!


みたいなPOP書きました。

あと読んでない本のPOPも書きます。

僕は彼女と一緒にいたかったのだ・・・。

15歳の少年と35歳の女性の恋。

「朗読者」

「号泣しました」当店店長オススメの一冊!!!


こんなカンジだったかな。あ、店長ってわたしのことです。



番子さんは「児童書」担当でいらしゃったそうです。

わたしも「児童書」(と、文芸書と)の担当だったので、経験が似ていて、笑えました。

「妖怪スリップはがし」とか。

「スリップ」というのは、本に挟まっている細長い二つ折りの紙です。

アレ、大事なんで、我が子がスリップ剥がしまくっていたら注意してくださいな。

スリップがどう大事なのかは、このマンガ読んでください。

本屋は、入荷・販売・返品のエンドレスワルツ。

本屋さんが、365日毎日毎日戦っていられるのは、

本への愛、あればこそ!!

そしてささやかな幸せあればこそ。←ほんとにささやか・・・。

このマンガは全国の書店員の代弁者です。

本を愛するみなさま。

本屋さんのこと、知りたくありませんか??

Amazon.co.jp暴れん坊本屋さん (1) (Un poco essay comics)暴れん坊本屋さん(2) (ウンポコ・エッセイ・コミックス)暴れん坊本屋さん(3) (ウンポコ・エッセイ・コミックス3)

あ〜、でも市内の本屋の品揃えが悪い!!とか、思っちゃうのよね。


参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ

番子さんの先輩書店員・ハチさん(コミック・BL担当)の「客が求めてるなら売り場担当として受けて立とうではないか!!」に、プロの心意気を感じます。笑っちゃったけど。

この記事は、レビューポータル「MONO-PORTAL」にトラックバックしています
ラベル:コミック
posted by くみ at 16:25| 静岡 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | コミック・アニメムック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月24日

“天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語”

中村弦著「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」です。

第20回ファンタジーノベル大賞大賞受賞作品です。

図書館で、なんとなく棚から抜いた本がこの本でした。

ついでにもう一冊、となんとなく抜いた本が「厭犬伝」(第19回ファンタジーノベル大賞大賞受賞作)でした。

偶然にも第19回、第20回のファンタジーノベル大賞大賞受賞作を抜いてしまうとは「あーらびっくり!!」です。

ファンタジーノベル大賞は、ほんと、幅広い作品が集まってますね。

「厭犬伝」はバトルものでしたが、この「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」は建築家の話です。

天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語
中村 弦
新潮社
売り上げランキング: 16958


明治・大正の頃。

孤独な建築家、笠井泉二。

幼少の頃から人並みはずれた頭脳を持ち、建築家になってからは、同業者が考えも及ばない建物をつくる、その才能が彼を孤独にした。

人は言う。

彼の作る建物は、住む人の心を狂わせる。


主人公・笠井のつくる建物は、和洋折衷といいますか、かなり斬新なものです。

彼は、依頼者の人となり、をこと細かく聞き、その願いをかなえます。

「亡き夫と過ごせる家を」「永遠に住める家を」

建物が出来上がり、依頼者がその家に住むようになると・・・

不思議なことが起こるのです。

依頼者を満足させることが出来る彼は、その才能を生かすことと引き換えに、「人間としての幸せ」を手に入れることができなくなっているのです。

この作品、文章が美しい。

静謐です。

それは、主人公・笠井がつくった建物のようです。

実のところ、笠井の人物像はとらえにくい。

どこか影のある、孤独な人物。
胸のうちをすべて明かすことのない人物です。

彼の人となりは、彼のつくる建物でわかるようになっているのです。

そしてそれと同時に、彼に建物を依頼する、依頼者側の心情、過去なども表現されます。

笠井の過去と、建物の話が交互に入り込み、6章で構成されています。

文章といい、設定といい、物語の組み方といい、尋常じゃない作品です。

なんという、才能!!

中村弦氏は新人だそうで、

恐るべし、恐るべし、

日本ファンタジーノベル大賞!!!

日本ファンタイジーノベル大賞は、新人もプロ作家も投稿できます。

ファンタジー??と敬遠している方にもオススメ。

ファンタジーっていってもいろいろあるんです。

読んでいるうちに、笠井のつくった建物の内部にいるような気分になります。

Amazon.co.jp天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル:
posted by くみ at 15:00| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(文芸・評論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月19日

“幼年期の終わり(光文社古典新訳文庫)”

SF界の巨匠・アーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」(光文社古典新訳文庫)です。

アレです。「00」

「機動戦士ガンダム00」セカンドシーズンの最終回で、木星をバックに、

The Childhood of Humankaind End

なんて出てきたから、読んでみようと思ったのです。

「木星」ときたら、「2001年宇宙の旅」だし。

「00」の「軌道エレベーター」は、クラークの「楽園の泉」の「宇宙エレベーター」を彷彿とさせますしね。

SFといえば、ハヤカワ文庫ですが、わたしは一度「幼年期の終り」(旧訳)を読みかけてリタイアしているのです。
しかも1部の最初のほうで(「楽園の泉」もリタイア・・・)。

で、常々ブラボー!!と思っていた「光文社古典新訳文庫」にちょうどあったので手を出しました。

「光文社古典新訳文庫」は良いです!!

読みやすいです。

で、表紙がまた良いのです。

わたしは何もかも「新訳」がいいとは思ってません。

例えば、「赤毛のアン」はいろいろな方が訳されていますが、村岡花子氏が一番馴染みますしね。

でも、どうしようもなく馴染めないときは、「新訳」に手を出してもいいんではないか、と思います。

で、この「幼年期の終わり」(光文社古典新訳文庫)。

第1部は1989年にクラークが書き直した「新版」です。

初版が発行された1953年当時、冷戦状態にあった米ソ。

初版はその部分がつよく強調されたものだったのですが、「新版」はその部分が直され、また作品自体の年代設定が、1970年ごろから2000年へと移動しております。

この「新版」第1部の邦訳が収録されているのは、この作品だけだそうです↓。

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)
クラーク
光文社
売り上げランキング: 64166


突如、空に現れた巨大な宇宙船団。

人類は彼らを「オーヴァーロード」(最高君主)と呼んだ。

オーヴァーロードは地球を支配し、人々にこれまでにない秩序と平和をもたらした。

彼らには、人類をある方向へ導くための、真の目的があった。


読み終えてあらためて思ったです。

アーサー・C・クラークって人は、どんだけSF界に大きな影響を及ぼしてんだか!!!

偉大すぎます。

永野護氏の「ファイブスター物語」に登場する、「サタン・ライフ・ウォッチング・オーバーロード」なんて、名前どころか、見た目そのもの、そっくりそのままじゃないですか!?←そこかよっ!!!

「人類の統合体」という考えは、今ではあちらこちらで見かけますしね。

それから思いました。

人類の限界って、せいぜい土星くらいまでだろうな・・・。

「機動戦士ガンダム」のような時代は来るかもしれませんが(ヲイヲイ)、「銀河鉄道999」のような時代は来ない・・・。

この作品で、人類はオーヴァーロードに、「人類が宇宙を制する日はこない」と真実を告げられます。

これによって人類は「宇宙への憧れ」を奪われてしまいます。

自分たちの限界を知ってしまった人類の探究心は、ゆるやかに後退していくことになります。

異星人の手によらなくても、人類の文明の折り返しというのは、現実的に有り得ると思います。

それにしても、SF小説といえど、史上まれなる傑作というものは、「哲学的」な部分を含んでいるものなんですね。

人類を支配し、導くオーヴァーロード。

それは、人類の「重大なる転機」(進化)を見守るためだった。

知的生命体として、最高点に達しているオーヴァーロードは、さらに上位なる意識「オーヴァーマインド」に隷属し、オーヴァーロードという種はこれ以上進化することはない。

そこに、オーヴァーロードの「哀しみ」が描かれています。

なんか、新人社員を教育していたら、その新人に先に昇進されてしまった・・・みたいな??←生々しいし、哲学じゃないし!

例えが悪いですね。

子を持つ親の気持ち・・・??

子の成長を、最後まで見守ることができない親の気持ち??

子どもを持ったことないんでわかりませんが。

オーヴァーロードの一人、ラシャヴェラクは、

自分たちは助産婦だ。
ただし自分たち自信は子を産むことはできない


と作中で語っています。

この作品の主人公は、人類側ではなく、地球総督カレランとオーヴァーロードの皆さん、なのです。

相手は、何せ異星人なので、いまいち気持ちは掴みづらいのですが、同じ人間同士だって、所詮気持ちが通じているかなんてわからないので、同じようなものです。

オーヴァーロードの皆さんの容姿が、もともと人類の恐怖と悪のシンボルであった、という設定にはうならずにはいられませんでした。

しかし、この設定・・・仏教徒には・・・どうなんだろう??

オーヴァーロードの出現により、「宗教」は「純粋な形の仏教」以外は消滅した、というのは納得できます。

深いな、仏教!!

人類はオーヴァーロードの支配を受け入れることになります。

もちろん反発者もいましたが。

「全人類の支配」というと、これまた、あちらこちらで見かけるネタなんですが、わたし、いつも思うんです。

例えば、「地球へ・・・」の、「SD体制」

例えば、「機動戦士ガンダムSEEDディステニー」の「ディステニープラン」←提唱者がアレなんで、わたしは嫌ですが。

「結構快適かもしれない」と。

「自分は受け入れるだろう」とか。

第3部で、いよいよ人類の進化がはじまります。

この部分、圧倒されました。

グロテスク極まりないんですが。

こういうことを一人の人間が思いつくって、一体!!!

「人類補完計画」がショボいものに思えてきます。

これ以上書くと、わたしのショボさもますます露呈してしまうので、この辺で。

Amazon.co.jp幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)

SFが俺ブームになりそうです。

叙情的なものより、こっち↑系が好き。

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル:
posted by くみ at 23:00| 静岡 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(文芸・評論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月15日

“厭犬伝”

弘也英明氏の「厭犬伝」です。

第19回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作です。

日本ファンタジーノベル大賞は、世に多くの作家を送り出しております。

大賞受賞作でなくとも、作品が優秀であれば単行本として発刊されます。

鈴木光司氏(いまや審査員)、小野不由美センセ、恩田陸氏、畠中恵氏は大賞を受賞してはいませんが、売れっ子作家でいらっしゃいますしね。

わたし、個人的には「後宮小説」の酒見賢一氏が突出していると思っています。

くわしくはこちらへ→日本ファンタジーノベル大賞。

あ、大賞賞金が高額なことでも有名な文学賞です。

この「厭犬伝」。

なんと、弘也英明氏が生まれてはじめて書いた小説だそうです。

弘也英明氏は1982年生まれ。

第19回大賞受賞時は25歳。

25歳で賞金500万・・・・・・・。

あ、現在会社員だそうです。犬は苦手だとか。

厭犬伝
厭犬伝
posted with amazlet at 09.05.13
弘也 英明
新潮社
売り上げランキング: 329984


不思議な設定の作品です。

日本の江戸時代のような、中国の影響も受けているような世界です。

魑魅魍魎が跳梁跋扈する異世界。

人間の骸から生えた「汚木」(よごれぎ)を基に操り人形「仏」(ほとけ)を作り、戦や政に使う世界。

「仏」同士を戦わせる遊戯を「合」(あわせ)と呼ぶ。

東都の岳稜警(がくりょうけい)・厭太郎(やたろう)も「合」を楽しむ一人だった。

ある日、厭太郎は、とある疑惑のある人物・東都一の仏師・七路犬暁を仕事上の過ちから死に追いやってしまう。

東都に戻った厭太郎に突きつけられたのは、犬暁の娘・犬千代からの「仇討ち御免の叩き付け状」だった。

「合」で命をかけ、犬千代と戦うことになった厭太郎。

七路犬千代は恐るべき「合」の才能を持った娘だった。


あの娘に勝たなければ、

俺は前に進むことが出来ない。


あ〜、変換出来なくてまいった・・・。

簡単に言うと、美少年と美少女の決闘です。

あ、終ってしまった・・・。

人間の死体から「汚木」が生えてきます。

その「汚木」から、仏師が「仏」をつくります。

「仏」は「依姫」(よりひめ)という女性の能力者が複数いないと動きません。

その「仏」は、普通は、罪人を取り締まったりするのに使うのですが、人と人とか競わせれば「合」となります。

「合」を行う場所を「合仏堂」(あわせどう)と呼びます。←ゲーセンですね。

「合」は、まれに子女対成人男性などの仇討ちにも用いられます。

あ〜、変換が・・・。

とにかく、あちこち人間の死体だらけです。

人間の死骸が戦っているんですから。

「仏」には、その人間の精神が眠っています。

「汚木」は、仏師に刃を入れるたびに悲鳴をあげるため、その作業場は悲鳴が響き渡っています。

冒頭の山中のシーンから、妙な臭いが漂ってくるような気がしてなりません。

山中も腐海みたいです。
おぞましい生き物が多くて・・・山海老(やまえび)はザク色した、強大化したムカデとエビの合体みたいなヤツだし・・・。

厭太郎は、どっきどきの何もかも(声も)中性的な美少年ですが、腕っ節はやたらに強く、岳稜警(辺境警備隊みたいなもの)を仕事としています。

実は・・・厭太郎には悲惨な過去があるのですが・・・。

彼は、その時から、何かに縛られたように生きてきました。

犬千代との決闘、その先を目指し、彼は闘う決意をします。

七路犬千代は、仏師の最大派閥・七路派の頭首・東都一の仏師の娘なので、それはそれはお嬢さまです。

彼女は父親の死を悼んではいません。

そもそも、事件の発端は彼女の父の悪行にあったわけです。

しかし、彼女は「仇討ち」という形で、残された弟のために命をかけるのです。

「合」で負けても通常は、自分にはダメージはないのですが、決闘の場合だけは別。

命を失います。まさに決闘。

美少年と美少女が、死骸をもとに作られた人形で命をかけて闘う。

おぞましい、設定です。

しかし、厭太郎や犬千代が、決闘の日に向けて、「合」で闘いを重ねる部分などは、根性もののような印象があります。

格闘ゲーム好きな人は、「合」のシーンの面白さがよくわかると思うんです。

いや、決闘はゲームじゃないけどね。

わたしは、格ゲーどころか、ゲームそのものをまったくプレイしないので、そこのところがちょっと残念。

自分の読みにくい部分が出てくると、すぐ「アニメ化してくれ」(ゲームはしないから)と思ってしまうのは怠慢ですね。

わたしは主人公の厭太郎よりも、父の悪行のせいで都中の怨嗟を一人受けながらも、凛として闘う犬千代の味方でした。

Amazon.co.jp厭犬伝

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル:
posted by くみ at 16:26| 静岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(文芸・評論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月11日

“私の血はインクでできているのよ”

久世番子さんの「私の血はインクでできているのよ」です。

この作品は、お絵かき大好き少女が、「久世番子」というマンガ家になるまでのいろいろを描いたサクセスストーリー(??)です。

腐女子だったら「いたたまれなくなる」エピソード満載です。



わたしも子どものころから絵を描くのが好きでした。
でもね〜、結局マンガを描くまでにはなりませんでした。

あ、わたしはマンガより先にアニメ(ガンダム)の魅力に取り付かれてしまったので、マンガを読みはじめたのはヒトより遅いと思います。

読みはじめてからのダッシュがすごかったですが。

この本のすごいところは、「衝撃の現物コピー満載」なところです。

幼少時から高校時代の同人誌まで、潔くさらしていらっしゃいます。

小学1年の絵なんて、よく残っていたな・・・。

「ニュータイプ」への投稿のイラストから、同人誌の表紙まで。

古文のノートに書いてしまった、禁断の主従愛・道兼×花山院。←これ、続き読みたいわ。

名鉄の駅員さんの制服に萌えてつくってしまった、駅員さんの同人誌。←確かに名鉄の制服はかっこいい。

小学3年から自分で描いたマンガをクラスメイトに読ませていた、という番子さん。

なんと描いていたのは「馬」マンガ。

内容は「馬」の恋愛模様だったようです。何故「馬」??

ついでに番子さんは、自分のマンガのファンクラブ作ってたそうです。

ここで、わたし、デジャヴ・・・。

小学4年のとき。

わたしはクラスメイトのC美ちゃんとD子ちゃんと「あんみつ姫」と「暴れん坊将軍」を足して割ったような(江戸時代もの)、小説もどきを連載してました。

この作品は、担任のセンセの介入により打ち切りとなりました。

読者(ヲイ)をクラスの女子の一部(内輪受け)限定としていたため、男子たちの反発を大ゲンカになりましてね。

わたしは男の子ひとりを蹴っ飛ばして泣かせてしまい、それがもとで連載中止です。←彼は今もご近所です。お互い独身だな!!

中学生になった番子さん。

生徒手帳のなかに入れていたのは「光明真言」(梵字)・・・え??

藤川桂介著「宇宙皇子」に激しくのめりこんでいたそうです。

二次元ものへの恋心。

わたしにも経験があります。

わたしが中学生のとき、生徒手帳に入れていたのは

銀河漂流バイファムのロディの切り抜き(byアニメディア)です。

注・中学生時、わたしはまだBL(当時の名称・や○い)に目覚めてません。

「アニメディア」ってアニメ雑誌で一番安かったから。

番子さんは小学校高学年から「リボン」派、中学生から「ニュータイプ」派だったそうです。

わたしも「リボン」派だったなぁ。
番子さんと同じく制服がセーラーだったわたしは、激しくブレザータイプの制服(「星の瞳のシルエット」とか!!)に憧れたものでした。
「ニュータイプ」・・・わたしは高校生になってから読んでました。

番子さんは「ニュータイプ」の読者投稿欄にせっせと投稿していたそうです。

「ニュータイプ」の読者コーナーはレベル高かったですよ。

わたし、デジャヴ・・・。

わたし・・・高校生から短大まで、「月刊OUT」に投稿してました。

中学生になった番子さんは、いよいよ同人活動へと足を突っ込むこととなります。ついでにコスプレデビューも。

壮大なファンタジーの設定作りに熱中されていたそうです。

中学生の頃のわたしは、小4のときのメンツ、C美さんとD子さんと、凝りもせず「あんみつ姫」と「暴れん坊将軍」を足して割ったようなものに再び取り掛かりました。

今度は、自分たちもストーリーに登場させるというアイタタなものです。

ヒロインのお姫さま(おてんばいたずら大好き)にC美さん。
お姫さまの侍女で才女にD子さん。
わたしですが・・・わたしは、運動神経ゼロの使えないお庭番でした(さ、差別されてるし!!)。

ちゃんと完結させましたよ。リレーで書いてたんです。

C美姫はイケメンの婚約者を振り、戦を止めるため、「アイドル」になることを決意。
民衆はC美姫の歌に心酔し、ついに戦は終わり、調子に乗ったC美姫は「銀河ツアー」に旅立つのです(注・江戸時代もの)。

で、ラストシーンの言葉が「わたし、歌うわ」「完」

C美さん、合唱部だったからな・・・じゃなくって!!!

これって、これって、マクロスのパクリじゃん!!!

こうやって書いていくと、自分の過去を思い出していくものですな〜。

部活(吹奏楽部)の友人たちと、当時大流行していた集英社コバルト文庫の学園ラブコメに影響されまくったものを書いて、まわし読みしてました(バイブルは氷室冴子さんや久美沙織さん、藤本ひとみさん)

あと「交換日記」してたな!!←君は覚えているだろうか・・・??

番子さんは「描く」に熱中していた。

わたしは「書く」に熱中していたってことですね。

で、一方はプロ。

一方のわたしはこうしてアホーなブログを書いている、と。

番子さんは、「マンガ家になる」と決めて本当にマンガ家さんになりました。

番子さんのお絵かき友だちやライバル(?)も、少女マンガのアシスタントやアニメーターと、その道をつらぬいていらっしゃいます。

それってすごいことですよね。

例え痛い過去があったっていいじゃないか!!

それが、今に繋がるのなら!!!

「ベルサイユの薔薇」を読んで、フランス史の研究家になった人がいる。

「王家の紋章」を読んで、エジプト史を専攻した人もいる。

「エースをねらえ!」を読んでテニス部に入った人は山ほどいる。

「好き」だということが一番大事だと、「シュート」の作者・大島司センセはおしゃっていました。

「トシ、サッカー好きか?」と久保くんも言ってたわ!!

わたしだって、こうしてブログを続けていられるのは、「書くこと」が好きだからなんです。

Amazon.co.jp私の血はインクでできているのよ (ワイドKC)

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ

この記事は、レビューポータル「MONO-PORTAL」にトラックバックしています

ラベル:コミック
posted by くみ at 22:09| 静岡 ☔| Comment(6) | TrackBack(0) | コミック・アニメムック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月09日

“恋愛嫌い”

平安寿子氏の「恋愛嫌い」です。

平安寿子氏の本、はじめて読みましたが、とても読みやすく面白いですなぁ。

またタイトルが「恋愛嫌い」って・・・・うっ・・・わたしか?わたしのことか??

あ〜、みなさ〜ん、恋愛したいですか〜?

恋愛ってメンドクセー!!とかって思ったことありませんか〜??

テレビや雑誌で「恋愛はいつまでもしていたいです」とか答えている人を見ると、「けっ」っと反感を覚えてしまうのはわたしだけですか〜??


ま、わたしの場合、いまは気力が不足しているため、

生きてるだけで精一杯

なんですけどね。

でもわたしの場合、もともと「恋愛体質」ではないような気がする。

若い頃にね(当時22歳ごろ)、言われたことがあるんです(こういうことはよく覚えている・・・根暗で執念深いから)。

「彼氏がいないと恥ずかしくない??」

って・・・・なんだそりゃ??

そうわたしに言った彼女は、

「ひとりで買い物に行くのも、ひとりで食事なんて、ひとりでかわいそう〜彼氏いないんだ〜」

って思われるから(誰に思われるんだか?)「絶対、彼氏は必要なんだ!!」って力説してました。

「ば〜か!!」と思いました。

あと「死ぬまでヤってろ、万年発情期!!」とも思いました。

その彼女は、最後まで、自分とわたしが価値観の違う人だってわからなかったみたいです。

恋愛嫌い
恋愛嫌い
posted with amazlet at 09.05.09
平 安寿子
集英社
売り上げランキング: 230944


さて〜、この作品は、職場も年齢も違う、3人のランチ友達の女性たちの心境を語ったものです。

カフェで偶然相席になり、ランチ友達となった3人。

メーカー勤務の販売促進部の次長・鈴江(35歳)

コンタクトレンズ販売員の喜世美(29歳)

SEの翔子(26歳)

それぞれ、「微妙なお年頃」だと思っています。

適当に距離を保って付き合う3人。

お互いに深入りはしない。

しかし、ランチでの会話は、独り身の自分たちには深く考えさせられる内容だったりする・・・。

3人の共通点は「恋愛至上主義になれない」ということだった。

□恋愛はしたいけれど、いざとなると尻込みしがち。

□帰ったらまず、半裸になる。

□「前向き」という言葉に反感を覚える。

□諦めるのは何より上手。

□「一生恋してこそオンナ」なんて、正直疲れる。

□アフター5はネットかテレビ。

□気が合わない異性と付き合うなら一人でいたい。

□猫(あるいは犬)と二人暮らし中。

□オトコよりオカマの友達が欲しい。

□自分を大切に生きてきて、気がつけば独りだった。

ひとつでもあてはまったら、「アンチ恋愛」症候群!!


うぉ!!わたし、4つもあてはまるよ!!

3人の女性が、交互に語ります。

その内容は、ランチのときとは違い本音炸裂です。

「幸せになれ」だの、「欲を持て」だのウッザイわ、と、前向き嫌いの鈴江。

恋愛は苦手だ、と苦手じゃない相手が現れるまで待ってちゃダメか?と貴世美。

1人で生きちゃ、ダメですか。と思っている翔子。

3人は、3人とも、「恋の予感」はあるものの、自分が相手に合わせるのはどうしても苦手。

なんでー!!そんなにいい相手がいるのにー!!

と周りからせっつかれそうなくらいなのに、どうしても心が決まらず揺れ動く。

後ろ向きといえば後ろ向きなんですけど、その考えがなんだかわかる気がします。

どんなに相手が好感度NO1の男手あろうとも、気疲れするなら一緒にいないほうがマシ。

どんなに相手が金持ちだろうと、趣味も価値観も全く違う相手とはいられない。

相手がどんなにアプローチしてこようと、「舎弟」と思っている相手とはちょっとね・・・。

この3人は、考えすぎなんだと思う。

あ、考えてしまう相手とは結局ダメってことなんですね!!

それにしてもこの社会。

やはりオンナは生きにくいのだな、と思います。

仕事を真面目にしてれば、仕事が生きがいの女だと思われ。

結婚してない、独り身であれば、「幸せになってね」と言われ。

誘いを断われば「付き合っている人いるんですね」と言われ。

価値観はひとりひとり違うのにね。

ストーリーは最後の章で急展開します。

だからといって、3人は!!幸せな結婚をしました、というアホーな終り方ではありません。

Amazon.co.jp恋愛嫌い


参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル:
posted by くみ at 16:10| 静岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(文芸・評論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月07日

“シャングリ・ラ”

池上永一氏「シャングリ・ラ」です。

池上氏といえば「バガージマヌパナス」で第6回日本ファンタジー大賞で受賞しています(まだ読んだことないんだな〜)。

この「シャングリラ・ラ」は「月刊ニュータイプ」で2004年4月号から2005年7月号まで連載されていたそうです。

知らなかった・・・「ニュータイプ」は「ファイブスター物語」しか読まないんで・・・。

さて、この「シャングリ・ラ」

TV東京系でアニメ化されていますね。

アニメ見るときっとわかりやすいと思うんだけどなぁ。
見れなくて残念(静岡にTV東京系列は存在しない)。

公式サイトはこちらです。→こちら。

21世紀半ば。地球の温暖化の影響で東京は熱帯と化した。

異常は日本だけではなかった。

国連は、ついに二酸化炭素を排出する先進国の産業製品すべてに「炭素税」を課税することを決定した。

日本は東京の温度を5度下げるべく、東京の地上を森林化することとなった。

都市機能はすべて空中都市「アトラス」へと移された。

だが、アトラスに上がれるものは都民のうちほんのわずか。

地上には難民があふれ、森林から発生する熱帯性の疫病が蔓延った。

反政府組織・メタル・エイジの若き総裁「北条國子」(18歳)は、20万人の命を背負い、立ち上がる。


シャングリ・ラ 上 (角川文庫)
池上 永一
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 1196


シャングリ・ラ 下 (角川文庫)
池上 永一
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 1234


株価市場は完全に崩壊し、炭素市場となっております。

工業の要は、炭素から加工したカーボンナノチューブ。

炭素素材は無税。

おまけに軽くて強度があり、なんでも有りです。

それにしてもこの作品はアニメに向いていると思いましたよ。

わたしは単行本で読んだのですが、ざっと600P・本文二段組のボリュームです。

アニメ見たい・・・炭素経済とかわかりづらい・・・・。

他の部分はアップテンポでバンバン進みます。

東京の森林は世界最大級。

インコは大量発生するわ、マラリアは発生するわ、スコールが降ると人が溺死するわ、大変なことになっています。

北条國子は、祖母・凪子から経済学、政治、帝王学、自治、兵法などを学んでいます。

おまけにカーボンでつくったブーメランを振り回し、戦車の砲身を切り落とすジャジャ馬です。

東京「アトラス」の秘密は、実は國子の出生の秘密でもあります。

そして十二単をまとった深窓の姫君・美那、政府軍の将校・草薙国仁と國子の関係とは!!??

息をつかせぬ展開で、テクノロジーを描いた作品・・・と思いきや、意外な展開が待っている物語です。

國子の物語の最後のセリフ。

ネタバレになっちゃうから書けませんが、永田町のセンセ方にこーんな男前なセリフなんて言えませんな。

あ、國子は元お嬢さま女子高に通っていた、美少女です。

人間離れしてるけど。

他にもスゴイの出てきます。

アニメではそのスゴイキャラに豪華声優さんを起用しているらしいです。

著者・池上氏は東京上空を飛ぶ機会に恵まれ、そのときに「東京のシンボル」を発見し、それがこの作品の構想となったそうです。

Amazon.co,jpシャングリ・ラ 上 (角川文庫)シャングリ・ラ 下 (角川文庫)

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ

この記事は、レビューポータル「MONO-PORTAL」にトラックバックしています
ラベル:
posted by くみ at 00:57| 静岡 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(文芸・評論) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月05日

“番線〜本にまつわるエトセトラ〜”

久世番子さんのコミック「番線〜本にまつわるエトセトラ〜」です。

久世番子さんは、漫画家さんと書店のアルバイトと兼業していたことがあって、そのときの書店の実状を描いた「暴れん坊本屋さん・全3巻」が有名ですね。

わたし、まだ「暴れん坊本屋さん」は読んだことないんですけど、たぶん、きっと、書店に勤めていたことがあるわたしには「あるあるあるある〜!!」な内容なんでしょうね。

今度買ってきます。

さて、「番線」

業界用語ですね。

番線とはなんぞや??

書店の識別コードです。

書店が版元に本を注文するときには必ず「番線」が必要です。

例えば、電話で版元に注文するとき

「日販のD○○ 2○ー○○○○ ○○書店○○○店です」←テケトー。

と、必ず必要なのです。

日販は取次(出版取次・日本出版販売の略)。←他にトーハンなどもあります。

D○○は取次の棚番号。←わたしの記憶が確かなら。

2○ー○○○○は書店の支店などのさらに細かい番号です。←わたしの記憶が確かなら。

出版業界には他に「短冊」「客注」「買い切り」などの専門用語があります。

この本は

「本が好き!!」

というエッセイコミックです。



作る人、売る人、読む人の「本」への愛にあふれた作品です。

例えば。

本好きの人って本の貸し借りをしますよね。

わたしも、よくしました(最近してないなー)。

本を貸すときは本を入れる「袋」にこだわる。

わかります。

中身が透けない(これ大事)、落ち着いたデザインのもの。

わたしはCDショップの袋をよく使ってました。

中身が透けないからって、アニメイトの青い袋は使っちゃいけません。
マナーに反します。

雑誌。

その人がどんな雑誌を読んできたかで、その人の人生がわかる。

人生というか、読む雑誌にはその人の嗜好が表われてます。

隠せません。

わたしが書店に勤めているとき・・・毎月毎月、学研の「ムー」を買ってくださるオジサマがいらっしゃいました・・・。
しかも、発売日狙っていらっしゃる。
棚出しすると、誰かに読まれて痛んじゃうからって、毎月、朝一でいらしゃってました。
ああ・・・・・・・。

JJ、VIVI、Ray、CanCam。
これら4誌は同じ発売日なのですが、一冊が重いんです。
とにかく重いんです。
これら4誌をまとめて勝手いかれるお嬢さんたちの多いこと多いこと。
オシャレは体力もなくちゃできないのね・・・と思ったもんです。

「歌劇」といえばヅカファン。もちろん「宝塚グラフ」も定期購読。

本好きは教科書も好き。

国語の教科書、思い出しますね。

中学1年のとき、教科書に載っていた話、内容は覚えているけどタイトルがわからない。
「わたしの聴いた言葉を取ってください」という話。

「山月記」「こころ」・・・名作に触れる良い機会でした。

作者の番子さんは、古文の「大鏡」の一節「花山天皇のご出家」で、古文のノートに、妄想漫画(道兼×花山院)書いちゃったそうです。

本作りに携わっている人たちのことも書いてあります。

写植職人、校正さん、編集さん。

東京創元社の校正さんが「ミステリーのトリックの穴見つけちゃった」という衝撃のエピソードもあります。

編集者は熱い思いで「アオリ」を考える。

国立図書館の司書さんたちは人間よりも本が大事。

みんなみんな本が好き。

この本で一番気になること。

番子さんの友人・ハチさんが言っていた「今一番壊れてる本」(内容が)。

忍者がカタツムリでプルトニウムって、どんなBLよ!!??

Amazon.co.jp番線―本にまつわるエトセトラ (UNPOCO ESSAY COMICS)

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ

この記事は、レビューポータル「MONO-PORTAL」にトラックバックしています
ラベル:コミック
posted by くみ at 14:43| 静岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック・アニメムック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

“NYLON JAPAN 6月号”

「NYLON JAPAN」 6月号です。

クリスタルボールとのコラボ「スペシャルランチトート」が付録でした。

楽天限定は「ピンク」のみでした。

わたしはうっかり二重にポチってしまい、「黒」が2個届いてしまいました。

クリスタルボールとのコラボ付録の機能性は抜群の「NYLON JAPAN」

あいかわらず内容は斬新すぎて、アラフォーのわたしにはついていけません↓。



この↓「黒」をね、なぜか二回注文しちゃったんですよ〜あ〜あ↓↓。





取っ手はとても丈夫に縫い付けられています。
取っ手と底がポリエステル素材。
バッグ本体部分がかなり厚手のキャンバス地です。

布の切れ端の処理も完璧です。

クスルタルボールのランチトートが実際に販売されているとしたら、840円ではとても購入できないでしょう。

Image015.jpg

だけど、このアクセントのリボンの縫いつけが雑。
リボンはいらないかも。↓。

Image017.jpg

マチが9センチあります。
とりあえず、図書館に返却せねばならない本を入れてみました↓。

Image018.jpg

これだけ入れても、大丈夫。丈夫です。

でも、2個は入らない・・・・。
デザインはいいんだけどな〜。

オクに出すのもメンドクサ・・・。

楽天限定バージョンの「ピンク」は品切れです。

「黒」は楽天は品切れですが、Amazonにはまだあります。

書店店頭にもあるでしょう。

Amazon.co.jpNYLON JAPAN (ナイロンジャパン) 2009年 06月号 [雑誌]

とりあえず、これを最後に付録に釣られるのはやめよう(と何回も言ってますが)と思います。

参加中です↓。いろいろと励ましのクリックよろしくお願いします。
人気blogランキングへ
ラベル:付録 雑誌
posted by くみ at 23:29| 静岡 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。