なんと刊行が48年も続いたという伝説の雑誌『少女の友』が1号限りの復刊です。
「少女にこそ一流の作品を」がモットーだった『少女の友』
川端康成氏、吉屋信子氏、中原中也氏など一流の執筆陣に、中原淳一氏などが挿絵を描いた、ともかく当時の少女たちにとってはバイブルのような雑誌だったらしいのです。
わたしは、田辺聖子さんの著書のなかで『少女の友』という雑誌のことを知りました。
吉屋信子氏という作家を知ったのも、中原淳一氏という画家を知ったのも、田辺聖子さんの著書からでした。
中原淳一氏の「おしゃれの絵本―中原淳一ファッションブック」は手に入れたい一冊です(お高い・・・)。
『少女の友』は昭和30年に休刊になってますから、当然「本誌」を見たことはありません。
母も、実物を見たことはないそうです。
でも、母は少女の頃、吉屋信子氏の作品は読んでいたらしい。
この本。図書館の新刊コーナーにあったのですよ。
いまどき、化粧箱入りの本なんて滅多にありません。
目立ってました。
『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション
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『少女の友』が抜群のセンスで作られていた雑誌だということがよくわかりました。
中原淳一氏の描く、少女たちのお洋服の品のよさ!!
松本かつぢ氏の描く少女の横顔の美しさ!!
竹久夢二氏や蕗谷虹児氏なども描いていたというなんと豪華な!!
小説は吉屋信子氏の「紫の手記」と川端康成氏の「乙女の港」
吉屋信子氏の「紫の手記」は少女歌劇が舞台。
川端康成氏の「乙女の港」は『少女の友』史上、もっとも人気を博した連載だそうです。
当時の女学生の間では「エス」と呼ばれる(Sisterの略)「お姉さま」と「妹」という関係が大流行していたそうです。
川端センセの作品はその「エス」がテーマなのです。
それって「マリア様がみてる」(ウィキペディア)の「スール」と一緒ですね!!
あの川端康成が!!!ノーベル賞が!!!
この「乙女の港」の連載初回のみが掲載されているのですが、面白いんです!!!
うぉー!!続きが気になる!!!
三千子は誰を「お姉さま」にするんですかっ!?川端センセーっ!!
図書館へ「川端康成全集第二十巻」を探しに行かねば!!!
あなたはどんなお花がお好きか分からないけれど、もしも、私の花束のなかに、お好きなお花がひといろあるとしたら、どんなに私は仕合せでしょうか。
ああ、これは乙女と元乙女にしかわからない浪漫だわ。
付録も紹介されているのですが、また豪華で美しいつくりで、金箔の型押しとか、同人誌で刷ったらいくらくらいになるんだろう??などと思ってしまう不届きなわたしです。
この本、「記念号」のなかでは、『少女の友』の熱烈的読者であった田辺聖子センセをはじめ、安野モヨコさん、あさのあつこセンセも『少女の友』について語られています。
いいな。こういう雑誌。
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ラベル:本