「腐女子」であると自他共に認めているわたしですが、この本は書店店頭で文庫を見つけたときに、その場で購入するのをためらいました。
だって、以前勤めていた会社の支店だしさ~。
レジに知っている人、いたしさ~。
でも他の書店でもやっぱり買うのをためらいました。
で、図書館にリクエストするのにもためらいました。
この本は「世界史」の本なので、別に後ろめたくもないし、ためらう必要はないのですが、ためらってしまうあたり、わたしも精進が足りないと思います。
で、アマゾンさんで購入です。
文庫で1000円もします。
ぶ厚いです。
さすが「世界史」!!!
「同性愛」(おもに男性同士)は「サイレント・シン」といわれてきたそうです。
口に出してはいけない暗黙の罪悪。
論じたり、研究するもの禁じられてきました。
しかしそもそも「同性愛」などという概念は19世紀から20世紀後半にあらわれてきたものだそうです。
「悪徳」「犯罪」「排除」「否認」などといった行為が行われるようになったのもごく最近のことなのです。
21世紀になったいま、「同性愛」は「容認」の方向へと向かっています。
「同性愛」を語るのに「宗教上の問題」というのがあります。
「仏教」は「同性愛」を話題にもしていない。
禁じてもいないが認めてもいない。
「ヒンドゥー教」は一般的に受け入れている。
「イスラム教」と「キリスト教」には「同性愛」の項目がない。
「ユダヤ教」は一般的には認めないが、認めようとする派も出てきている。
「キリスト教」の普及とともに否定的な見方をされるようになった「同性愛」ですが、あれれ?そもそも「項目がない」ってことは禁じられてもいないってことではないでしょうか??
そもそも「キリスト教」で「同性愛」が迫害されるようになった、聖書における「ソドム」の「悪徳」、「ソドムの住民は男色ゆえに天上の火によって滅ぼされた」ですが、もともと旧約聖書では「ソドム」の悪徳は「特に男色を示したものではない」そうなのです。
いつのころからか「同性愛」は自然の本性に反する存在として否定されるようになっていった、ということですな。
ま、そんなこんなで西洋で「男色」が大変な扱いを受けているときに、「稚児」だの「小姓」だの「陰間」だのと花盛りだった日本は、さすが「ボーイズラブ」の発祥地です。なんのこっちゃ。
この本、読んでいくにつれ、「アレクサンドロス大王」「カエサル」「ダ・ヴィンチ」「アンリ三世」「ランボー」などと、いまでは公になりつつある歴史上の人物が「同性愛」者であったことが書き連ねてあります。
英雄は色を好むものだし、芸術家は突き詰めると至高の愛として「同性愛」にたどり着くみたいだし、そういうもんなんだな~とわたしなんかはボケーっと思ったりするだけです。
今の時代の子供向けの「伝記」なんかも、そゆこと堂々と書いてありますしね。
わたしが好きな20世紀を代表する偉大なる音楽家、バーンスタインの伝記には堂々と「男性と同棲していた」と書いてありましたしね~。
この本で一部気になる記述がありました。
男性は「男らしさ」を強調し、男の友情を求めるが、同性愛を嫌悪するという矛盾した態度をとることにより、一対一の友情を避ける。
「男らしさ」に固執するため「同性愛」をおそれ、親友をつくれない。
男性同士って実は付き合いが難しいってことですか!?
女性同士は一対一で旅行に行ったり、映画に行ったりしますが、そういえば男性同士で映画とかあんまりみかけないな~(注・「エヴァ序」ではたくさん見かけました)。
これにはびっくりでしたな。
つまりは「同性愛」は人間の絆、友愛の可能性をつきつけるもの、ということなのですな。
ふむふむ。
注・なおこの本では「レズビアン」に対しての記載はありません。
準備していたけれど発行に間に合わなかったそうです。
この本における「同性愛」とは「男性同士の愛」ということです。
amazon.co.jp→ホモセクシャルの世界史 (文春文庫)
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