2012年08月15日

“白の祝宴 逸文紫式部日記”

森谷明子「白の祝宴 逸文紫式部日記」です。

森谷明子氏は「千年の黙 異本源氏物語」で第13回鮎川哲也賞を受賞し、デビューしました。

この「白の祝宴~」は「千年の黙~」の続編にあたります。

酒井順子氏によると、国文学好きは「清少納言」好きと「紫式部」好きに分かれるらしいです。

「枕草子」好きと「源氏物語」好きに分かれる、と。

わたしはどちらが好きか?と問われたら「枕草子」と答えます。

ちなみに、わたしは国文学をちゃんと学んだことはなく、「枕草子」も「源氏物語」も原文をちゃんと読んだことはありません。

だから、わたしの好みは現代語訳した作家さんに大きく左右されております。

でも、現代語訳が多いのは圧倒的に「源氏物語」の方が多いですからね~。

「源氏物語」の現代語訳は結構読んでますよ。

瀬戸内寂聴センセがおしゃってますが、「大抵小説を書く女は性格が悪い」んだそうで・・・。

性格が悪いというか、紫式部が「湿」な性格であることは確かだと思います。

田辺聖子センセは小倉百人一首の紫式部の歌

「めぐりあひて 見しやそれとも 分からまに 雲がくれにし 夜半の月影」

をあげて、紫式部は文学を語る同性の友人が多かっただろうとおしゃっています。

なるほどなるほど。

この作品↓「白の祝宴 逸文紫式部日記」は、紫式部の「湿」の部分と、文学サークルの一員のような部分とが、よく表われていると思います。

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病の為に宮仕えを辞していた紫式部は、彰子中宮の懐妊を機に、再度出仕することとなった。

上がるは、藤原道長の屋敷、名邸土御門邸。

懐妊、出産と慶びに沸く祝宴の裏で、不穏な事件が起こっていた。


藤原彰子は、入内、立后、皇子出産、院号宣下とすべてにおいてあやかりたい吉例とされた女性です。

時の権力者、道長の娘として生まれたこと。

一条帝に入内し、中宮として冊立されたこと。

二人の皇子を産んだこと。

二人の皇子が、二人とも帝となり、二代の国母となったこと。

なにもかもに恵まれた女性といってよいのでしょう。

しかしなんといっても印象に残るのは「かかやく藤壺」ですよ。

贅を尽くした調度と、才女たちが仕え、殿上人がこぞって集った華やかな彼女の御座所はそう呼ばれました。

それまで、皇后定子の住んだ登華殿や職の御曹司が華やかでしたが、皇后は若くして亡くなり、内裏の中心は彰子の住む藤壺へと移ったのです。

清少納言が皇后定子を賛美し、そのひととなりやその暮らしぶりを綴ったのが「枕草子」

それと対をなすものが「紫式部日記」なんでしょう。

「紫式部日記」は、紫式部とならぶ平安の才女たちを、彼女自身が評していて、そればかりが有名な気がしますが。

あれですよ。

清少納言は、利巧ぶって漢字を書き散らかして、高慢ちきな嫌な女だ。

和泉式部は、口先だけですらすら歌を読むが、品行上問題がありすぎる。

赤染衛門は、人柄も立派だ、歌も立派だ。


ってやつね。

当時の「日記」というものは、「他人が読むこと」が前提で書かれています。

紫式部は、「源氏物語の作者」というだけで人目につきがち。

だからこそ常に「控えめに控えめ」にをモットーとしていた女性です。

漢籍だってもちろんバリバリに読めますが、漢字の「一」の字でさえ読めないフリをしたというくらい。

それなのに「日記」に同じ女房たちの評を書く・・・。

ちょっと、そこのところがわたしもひっかかったことがありまして。

この作品を読んだら、そのひっかかったところは解消されましたよ。

紫式部が、同僚・和泉式部と語る部分は、女学生の文学サークルのような印象を受けます。

お互いの才能と教養の深さへの尊敬の念と嫉妬とを感じます。

「紫式部日記」は、中宮彰子に使えた女たちの、衣装から噂話から係累を事細かに連ねてあり、資料的価値はあるが、「おもしろくない・・・」んだそうです。

しかし、そうやって描かれていることで、女たちの名前は残っている。

決して表舞台に出ることを許されない女たちが、長い年月この日記を書き写し残してきた。

「あなたの名前は千年残る」

女たちが紫式部に託してきたものを思うと、胸が熱くなるのです。

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2011年07月27日

“伏~贋作・里見八犬伝~”

桜庭一樹「伏~贋作・里見八犬伝~」です。

モチーフはもちろん「南総里見八犬伝」です。

日本人は「八犬伝」が大好き。

わたしも大好き。

「八犬伝」を題材とした作品は数かぎりなくあります。

わたしが一番最初に思い浮かぶのは、鎌田敏夫の「新・里見八犬伝」です。

薬師丸ひろ子主演で角川映画になったヤツの原作ですな。

鎌田敏夫のはエロかった。→新・里見八犬伝 (上) (角川文庫 (5887))


映画になったらエロくなかった。→里見八犬伝 デジタル・リマスター版 [DVD]


ま、薬師丸ひろ子だしな。

さてさて、この作品↓「伏~贋作里見八犬伝」は週刊文春に連載されていたのを偶然読みました。

桜庭一樹氏は直木賞受賞作品の「私の男」がちょっと・・・だったので、敬遠していたのですが、この連載をチロっと読んで、興味が出ました。

苦手だと思った作家さんの作品も、「歴史もの」っぽいとするする読めるんですな、わたしは。

それからいろいろと読みましたよ。

桜庭さんのエッセイも大好き。

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ちっちゃな猟師の女の子・浜路は、義理の兄・道節を頼って、江戸へとやってきた。

浜路は賞金稼ぎのため、兄とともに江戸の街で「伏」(犬人間)を狩ることになる。

伏ってやつに生まれるとよ。

なぜだか、世の中ってもんにうまくなじめねぇ。

ひとを愛せないし、愛するものを守る力も、心ももたないぜ。

複雑なめぐり合わせによって出合った男・滝沢冥土が、浜路に語る「贋作・里見八犬伝」とは・・・?

ということで、猟師・浜路の捕物帖のなかに「贋作里見八犬伝」が劇中劇として登場します。

この「贋作里見八犬伝」の部分が圧巻でした。

里見義実の娘・誰からも愛される光のような存在であった伏姫が、因果を背負い畜生道に身を落としていく様に、ゾクっとしました。

八房も、飼い犬から野生の獣へと変化していきます。

じわじわと変化するカンジ。

ものすごく無知なことなんですが、わたしは「南総里見八犬伝」で、伏姫が「異種姦」をかたくななまでに否定していたのを重要視していませんでした。

すみません。

だってここは日本!

鶴と人間との間に子どもが生まれてしまう日本!!

天女と人間との間にも子どもが生まれてしまう日本!!

「異類婚姻譚」についてはおおらかすぎる日本!!

「南総里見八犬伝」は→忠臣・孝子・貞婦のおこないは報いられ、佞臣・姦夫・毒婦のおこないは罰せられる、儒教的道徳にもとづいた勧善懲悪の物語なんですよね。

作品上はそう描かれていたけれども、滝沢馬琴も「異類婚姻」を想定して書いていたんではないか?と勝手に思ってました。

すみません。すみません。

この作品は「八犬伝」を「因果の物語」として描いています。

主人公の浜路は根っからの猟師で、自分のすべきことをわかっています。

例え知り合った相手だとしても、自分は「狩る側」、伏は「狩られる側」

「光と影」、「繁栄の陰に埋まる人身御供」

様々な因果が描かれています。

「南総里見八犬伝」のキャラクターが、「伏~贋作里見八犬伝」と「贋作里見八犬伝」に別れて登場します。

これは、原作の「南総里見八犬伝」を読んだことがないと、ちょっと厳しいかもな~とも思います。

知っているからこそややこしいという意見もありますな。

わたしはそこは気にならなかったんですけども。

難点を言うと、作品中で語られる「贋作里見八犬伝」が秀逸すぎて、本編が拍子抜け。

本編はアクションです。

そして、この作品はアニメ化が進んでいるらしいですが・・・。


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2011年06月27日

“ガラシャ”

宮木あや子「ガラシャ」です。

この作品、小説新潮に連載されていたときから、気になっていたのです。

「花宵道中」で「女による女のためのR-18文学賞」の大賞と読者賞を同時受賞し、デビューした宮木あや子。

宮木あや子作品のテーマは一貫して「閉塞された世界での恋」かと思います。

なので、細川ガラシャは宮木あや子作品にぴったしではないか!とわくわくしておりました。

「逆臣の娘」「味土野での幽閉生活」「忠興の執着」「宗教の弾圧」

この閉塞っぷり!うひょー!萌える!!

という、萌え重視で読んだ作品なので、多少の歴史的矛盾は気にしない。

気にしないというか、気にならない。

歴史的矛盾が気にならないっていうことは、著者が優れた筆力を持っているからです。

大事なのは、読者に

「そういうこともあるかもね~」

と、思わせてしまうことです。

わたしのような、日本史を専門に学んだことの無いド素人でさえ「無い無い無い」と思ってしまう、今年の大河とかおととしの大河とかは、

三角コーナーにポイッですわwww

しかしながら、宮木あや子作品はあくまでも「恋」がテーマですので、歴史上の人物の生き様を真面目に読みたい方にはオススメしません。

ガラシャ
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恋を知らぬまま細川忠興に嫁いだ玉子。

男たちが戦いを重ねる間、玉子はただ年を重ね、二人の子の母となった。

忠興の自分への執着は恋なのか?

自分が抱く忠興への愛しさは恋なのか?

わからぬままに、やがて運命の日は訪れ、玉子は山深い未開の地へと幽閉された。

そこで、玉子は胸が潰れるほどの思いをする。


結ばれることのない恋。

ならば、何故出会わせた?


玉子、玉子に仕える侍女・清原マリア、父・明智光秀、夫・細川忠興、舅・細川幽斎、義弟・細川興元、そしてもうひとり・・・。

男女七人の恋は、決して叶うことはない。


「恋愛小説」です。

なので、「とんでも設定」があります。

でも、感情の揺れとしては、あるかもしれないのよ。

だって、誰も知らないことなんだから。

細川ガラシャは幽閉された味土野でどんな生活を送っていたのだろう?と考えたことがありました。

某大河で、侍女と二人きりの生活描写とかありましたが、それはありえないし。

奥深い山の中と言っても、ひとは住んでいただろうし。

そういう細かい描写がこの作品にはあるので、「とんでも設定」が受け入れられるのです。

さて、細川ガラシャという女性は、玲瓏玉の如き美女で、そのうえ聡明というのが通説です。

で、歴史的資料によりますと、大変気位が高く、激しやすかったらしい。

彼女が穏やかで包容力のある女性になったのは、改宗後ということです。

この作品のガラシャは、とても自己中心的に感じます。

美人で聡明なんですから、自己中心的で許されるのですぴかぴか(新しい)

さて、この時代の女性といえば、相手の顔も知らず嫁ぐのは当たり前です。

なんか、今年の大河なんて、戦国時代なのに想う相手と結ばれる恋愛至上主義とかアホか?と思います。

顔も知らない相手に嫁ぎ、その相手に妻として尽くし、大きなものを築きあげた女性が大勢いる時代なんですよ。

その女性たちに、まったく敬意を払っていない、今年の大河「江」はダサクです。


ガラシャこと玉さんだって同じことで、旦那に恋していたかというと違う。

しかし、一緒に暮らし、子まで生せば、それなりに思慕の情というのは湧いてくるもの。

しかも旦那は自分にぞっこんなんですから。

彼女が恋を知らずに結婚したからって、当時の価値観からすれば、不幸じゃない。

不幸なのは、彼女の父・光秀が主殺しという大罪を犯したからですよ。

その時、彼女は悲哀よりも混乱のなかにいたはずです。

アイデンティティーの崩壊です。

そのまま、幽閉生活へと。

混乱から絶望へ。

その生活の末、彼女に「決定的な出来事」が起きた、とすると?

それが「恋」だったとすると?

「恋」から「信仰」へのシフトチェンジも、なかなか納得できるように描かれています。

味土野から細川家に戻った玉と、彼女と離れているのが耐えがたかった忠興との間の亀裂が、さらなる絶望を生みます。

「植木職人を斬った」「侍女の鼻を削いだ」などと、残酷な逸話の残る忠興ですからね。

この夫婦、ベクトル違いで似たもの夫婦だったんですな。

つくづく思いますわ。

二人とも激しすぎる。

芸術に造形深く、利休七哲にも数えられる趣味人でありながら、戦場においては勇猛果敢と名高い細川忠興。

その忠興が異様なまでの執着で愛した、明智光秀の娘。

夫をどこか冷ややかに見つめ、当てつけるように信仰に入り込んでいく玉。

その玉を見守る男。

その男を想う女。

この小説は数人の男女が抱え込む感情を読むものであって、深い設定とか突っ込んじゃだめです。

でも、今年の大河よりはずっとしっかりした歴史背景を持ってますよ。

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2010年12月04日

“機動戦士ガンダム00 in those days ”

「機動戦士ガンダム00 in those days」です。

え、ちょっともう12月!!この記事は9月からの書きかけでした・・・。

でも、いいさね。

これくらい時間が空いてしまえば、ネタバレもOKでしょう。

最近、ツイッターに入り浸っているけど、わたしはブログを辞める気はなくってよ!!

むしろ、ツイッターをなるべく控えたいね。

ブログを重視したい。

キャラクターデザインの高河ゆんセンセイによる、キャラクターエピソード集です。

「機動戦士ガンダム」(1stと呼ばれている作品)は、わたしにとって、とても大切な作品で、たくさんのことを学ばせてもらったアニメです。

子ども心にも、こう、いろいろと思うところがあったのよ。

語ると長いんで省きますが。

で、富野由悠季監督の手によるガンダムでないと「本当のガンダムじゃないわ!」と心の奥底で思っているわけです。

ま、結局、「どのガンダム」も観れる限りは観ているんですが。

富野監督以外の「ガンダム」はサイドストーリーというか、パラレルというか、そんな風にとらえています。

「W」「SEED」「SEED DESTINY」「00」と観ましたが、しかも結構熱く観ましたが、「00」が一番、ストーリーに破綻がなく、アニメとして成功例だったと思っております。

えらそうですか?わたし、えらそうですか??

オタのタワゴトだから。


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高河 ゆん
角川書店(角川グループパブリッシング)
おすすめ度の平均: 5.0
5 イノベイターが魅力的です
5 キャラデザイナー自らの手によるエピソード集


わたしがはじめてファンクラブというものに入ったのは、高河ゆんセンセイの公式FCでした(当時のFCは現在のFCとは違うのだよ)。

もう20年近く前のことです。

わたしぐらいの年齢で、ちょっとばかしオタクな女性で、ゆんセンセイの影響を受けいないヒトっていないのではないか?と、思います。

そのゆんセンセイが、ガンダムのキャラクターデザインを担当するって聞いたとき、びっくらしたね。

でも、アニメがはじまったら、意外(失礼)なほどしっくりきてて、流石だな~と思いました。

ゆんセンセイも誰よりもアニメを愛するヒトのひとりだから。

さてさてこの作品集「機動戦士ガンダム00 in those days」は、アニメでは描かれなかった、空白の時間をゆんセンセイが描いたものです。

「機動戦士ガンダム00」という作品は、最初に放映された「00」(1stシーズン)から「2ndシーズン」、そして劇場版「機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- 」まで、なんと7年という時間が経っています。

主人公の刹那・F・セイエイは16歳のガキンチョから、23歳の青年へと成長しました。

そして、一応のヒロインでいらっしゃるところのマリナ・イスマイール皇女にいたっては、25歳から32歳と、ガンダム史上初の30代ヒロイン(しかも劇場版ラストではそれからさらに・・・)。

主人公とヒロインに9歳歳の差がある、しかもヒロインのほうが年上っていう設定に、激しく反応したワタクシです。

マリナさまは「影薄い」とか「貧乏姫」とかいろいろ言われましてましたが、キャラデザ・ゆんセンセイはマリナさまがお好きだそうです。

わたしも好き。

皇族の血を引いていたがため、「アザディスタン」という国の切り札として、皇女として祭り上げられ、石油燃料の枯渇した母国を率いることになってしまった女性です。

視聴者の指摘に彼女にカリスマ性がないって言われたことがありましたが、わたしは「カリスマ有る!!」って思ったね(将来性込みで)。

イカンイカン、他のキャラクターのことをまったく書いてないぞ。

「00」は女性キャラクターが好きでした。

1Stシーズンから2ndシーズンで、大きく人生が変わってしまったルイス。

いいキャラだった!!

超兵として登場したソーマもいいキャラだった。

ソーマの本来の性格はマリーという心優しい少女ですが、ソーマとマリーの切り替わりが素晴らしかったね。

カティ・マネキン大佐も好きだった。

あ、男性キャラでは「ロシアの荒熊」セルゲイ・スミルノフ大佐が好きだった。

あと、グラハム・エーカーっていう変なヒトと、パトリック・コーラサワーっていう製作スタッフにもっとも愛された男と。

わたしは「アロウズ」っていう、残虐非道な組織が好きでした。

残虐非道なくせに妙に味のあるキャラがそろっていて愉快でしたね。

このゆんセンセイの作品集のわたし的「肝」は、

刹那の戦う理由が

一輪の花を守るため

ってところです。

ひび割れた砂の大地に咲く花

をな!!!!

それだけでもう、大満足さ!!!

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8月に再就職して(バイトですが)社会復帰しましたよ~☆
posted by くみ at 22:44| 静岡 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | コミック・アニメムック | 更新情報をチェックする

2010年09月21日

“太陽の庭”

宮木あや子「太陽の庭」です。

2006年に「花宵道中」で第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞と読者賞を同時受賞し、デビューした宮木あや子。

一貫して描き続けている世界は「閉塞された世界」かと思います。

実はですね~、わたし、このひとが小説新潮1月号~7月号に連載していた作品が気になってましてね~。

早く、出版されないかな~。

さて、この「太陽の庭」は、先に発表された「雨の塔」と対になったような作品です。

同設定が使われていますし、同じ「家」も出てきます。

「雨の塔」の謎の岬の学校の正体も、もれなくわかります。

「大人のための少女小説」というところも同じです。

しかし、「現代の宮中小説」はね・・・、

宮中小説よりも

かっ飛ばしてましたよ

太陽の庭
太陽の庭
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おすすめ度の平均: 4.0
4 少女マンガのキャラ達が3次元に?


わたしたちの父は「神」でした


永代由継。

彼は財政界から「神」と敬われる男である。

「永代院」とは彼のことであり、また、彼が住む広大な屋敷のことでもある。

「永代院」には、彼とその妻たち、子どもたち、それぞれの召使に料理人、運転手、医師と、常時数百人が暮らしている。

しかし「永代院」には住所がない。

日本地図には載っていない。

「永代院」のなかでは、多くの妻と子どもたちが、寵愛と跡目をめぐる争いを繰り広げている。


んな、あほな!!??

っていう設定ですよね。

わたしは、財政界のドンが多くの妻妾を一緒に住まわせているだけ、だと思って読んだんです。

古いお家柄などでは、公認のお妾さんもいらっしゃるということですしね。

ちょっと、予想もつかない方向に行きましたわ。

うーん・・・。

これは、もしかして「SF」???

でも、著者もあまり深いこと考えてないようにも思えますな。

ツッコミどころをそのまんまにしているあたり。

やはり、この作品も「雰囲気」を楽しむ作品なんでしょう。

オチを求めてはいけないような気がします。

大人の女性のための「少女小説」なのですから。

著者は、「日本のなかの戸籍の無い人たち」を書きたかったそうですが、日本で戸籍の無い人たちというと、千代田区に御住まいの方々が頭に浮かびます。

「永代院」は千代田区の方々とは、まったく関係ないんですけどね。

ふむ。

この本を読んでいる真っ最中に「戸籍はあっても存在しない人々」が判明した日本。

もしかしたら、もしかしたら、「戸籍はなくても存在する人々」っているのかもしれません。

うーん・・・。

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posted by くみ at 22:05| 静岡 ☁| Comment(3) | TrackBack(1) | 読書(宮木あや子) | 更新情報をチェックする
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